ニワトリほどアホなふりをして人間をコケにする動物はいないのではないか、と思う今日この頃です。

ポートランド郊外、シアトル郊外、バンクーバー・キャマスWAにて巣鴨アドバンススクール(学習塾)とビーバートンにて巣鴨キッズ(幼稚園)を運営しています、みとのやです。

ピヨと呼ばれている我が家のニワトリ。

相変わらず、私が庭に出るたびに、小屋の網戸を前蹴りします。

「オラオラ!出せよ!こんな狭い小屋じゃつまんねんだよ!」と言わんばかりです。

私は根負けし、小屋の扉を開けるわけです。

前回にピヨが襲われて、一羽になってしまったと言う話をしました。

参考記事:新ニワトリシリーズ②:ニワトリ失踪事件

それ以来、誰かが庭にいない時は、ニワトリは小屋の外には出さない、と言うルールができました。

しかし、最近我が家の庭には一つの変化が起きております。

ロックダウンならぬステイホームしている我が家。

妻がガーデニングに本腰を入れ始めたのです。

庭で野菜や花を育てる、と言うことは、ピヨが小屋の外に出ると、せっかく植えた種を足で撒き散らし、苗も踏み潰してしまう、と言うこと。

そこで妻から指令が出ました。

「これ以上苗が犠牲になるのは、耐えられない。ピヨを小屋から出さないか、周りに柵を作ってガーデニングの邪魔をしないようにしてもらえるかな。このままだと、ピヨの首を締めてしまうかもしれない。」と。

並並ならぬ殺気を感じる発言。

私は「はい!」と答えるオプションしかありません。

そして、ここからがピヨとの戦いだったのです。

① VSピヨ

「ピヨの首を締めてしまうかも」。。。妻の目は真剣(まじ)でした。

ピヨの命を守るため、早速、私は近くのAce Hardwareと言うホームセンターのようなお店に行きまして、柵を購入してきました。

Ace HardwareはHome Depotに比べると店舗は小さいのですが、店員さんは博識の人ばかりで、何を聞いても答えてくれます。

緑のTポール4本にチキン用と書かれてあった緑色のプラスチックの網を購入。

↓(アメリカのamazon.comリンク) の緑の棒と緑のフェンスです。

早速設置します。

我ながら、よくやった、と思うわけです。

これで妻もハッピーだし、ピヨもハッピーでいられる、と。

数時間後、私は妻と一緒にガーデニングをしていたところ、ふとコケ!と言う鳴き声がすぐ近くから聞こえてきたのです。

え?なに?と思って声の出所に視線を動かすと、そこにはいるはずのないピヨが。

え?どう言うこと?

そうなのです。目を話した隙に、いつのまにかピヨが柵の外にきていたのです。

鋭い目を私に向ける妻を横目に、首を絞められないようにと私は一目散でピヨを抱えて、柵の中に入れます。

こいつ、どうやって柵を越えてきたんだ?と。

私は注意深くピヨを見ていました。

するとピックリなことに、ピヨはヒョイっと小屋に登り、その小屋から柵を飛び越えてきていたのです。

こいつ手強いな。。。。

② VS ピヨ

そこで私は考えました。

それなら、柵を小屋から離したところに設置すればいいのではないか、と。

土に打ちつけたポールを一度外して、小屋から1m以上離したところに柵を設置しました。

これでピヨは柵を越えられないはずだ、と。

これで妻もハッピー、ピヨもハッピーだ、と。

しかし、私は少し不安に思っていました。

なぜなら柵はピンと張った状態ではなく、弛んでいた部分があったからです。

何をどうしても、弛んでしまうのです。

その柵を見ていた時、柵ごしに見えたのはピヨ。

ピヨは、こちらをまっすぐに見ています。

ピクリとも動きません。

次の瞬間です。

ピヨの頭はわずかに下がり、低姿勢から腰に力が入った状態に。

ニワトリに腰があるのかどうかわかりません。

でも、言いたいことは伝わると思います。

私は目も口を大きく開け、ピヨが次に何をするのかすぐに察知しました。

こいつは柵を飛び越えてくる!と。

その瞬間、全てはスローモーションになりました。

ピヨは、頭を下げた姿勢から、羽を伸ばしたかと思うと、バサバサバサ!と難なく柵を飛び越えてきたのです。

柵を越え、降り立つと、何事もなかったかのように、首を突き出しながら、前に歩き始めるピヨ。

おい!ちょっと待て!と私もツッコミを入れてしまいます。

再度私に目で語る妻。

私は焦りました。

このままでは、ピヨが妻にやられてしまう。

③VS ピヨ

ピヨの命を救うため、今一度Ace Hardwareに足を運びます。

次は、長めのTポールです。

長めであれば、弛んだ柵をピンと張ることができ、さすがのピヨもピンと張った柵を飛び越えては来ないだろう、と。

これで妻もハッピー、ピヨもハッピーだ、と。

私は新しく買ってきたTポールをハンマーで土に打ちつけます。

柵もピンと張って。

下からもくぐれないように、上からも飛び越えられないように、しっかり柵を設置。

我ながら、よくやったぞ、と思ったものです。

妻もピンと張った柵を見て、褒めてくれたものでした。

そして、次の日でした、ガーデニングをしていると、バサバサバサ!と音が聞こえたかと思うと、ピヨが柵の向こう側ではなく、こちら側にいたのです。

まさかピンと張った柵を飛び越えてくるわけはないよな、柵の下から来たのかもしれない、とピヨを抱えて柵の中に戻します。

次の瞬間、また全ては前の日のデジャブになりました。

ピヨは低空姿勢に。

羽を広げ、腰に力を入れて、次の瞬間バサバサバサ!と。

私は開いた口が閉じませんでした。

なんてこった、と。

確かにうちのピヨはよく動くので、多少スリムであることは分かっていたのですが。

ピヨは120cm程度の高さであれば、余裕で飛べるのです。

その後

これ以来、我が家では、本当に小屋からもピヨを出さなくなりました。

我が家もロックダウンなら、ピヨもロックダウンです。

おかげさまでピヨの命も無事です。

相変わらず私が庭に顔を出すたびに、ピヨは柵を前蹴りしてきます。

「オラオラ!こんな狭い小屋に閉じ込めてんじゃねぇよ!」と。

私の良心は痛みますが、これもガーデニングのため。

自由で短い命と、自由はないけれど長い命。

お前の首を守るためなのだから、と今日もピヨは小屋の中にロックダウンしております。