皆さん、タコベルって知ってますか?メキシコ料理のファストフードチェーンとして有名ですよね。

それは2016年の11月のとある日。一人のタコベル店長に大変お世話になりまして、この恩返しのためにも、こちらのブログを書きます。

ポートランド郊外、シアトル郊外、バンクーバー・キャマスWAにて巣鴨アドバンススクール(学習塾)とビーバートンにて巣鴨キッズ(幼稚園)を運営しています、みとのやです。

雨が続いていたとある日。

もう2歳になる息子と一緒に家で留守番をしていました。

家の中は私と息子。

息子が「デンチャ!デンチャ!」と何度も叫び始め、そのうちに泣き出してしまいました。

(彼の場合「デンチャ」とはバスや電車などとにかく大きな乗り物のことを指します。)

雨の日が続いて室内にいるのが耐えられなかったのでしょうか。

家の近くにある「デンチャ(乗り物)」が見えるバス停まで行こうと外に出ました。

子供の泣き声ってどうしてあんなに体力を奪うのでしょうか。

耳を指で塞いでも、そこを迂回して耳に入ってきます。

心がえぐられたような気持ちになります。

グェッてなります。

外は寒く、小雨が降っていました。

私はため息をつきながら、傘を開きました。

我が子と手をつなぎ、近くのバス停までトボトボと歩きました。

5分程度でしょうか。

バス停に着くと、行き交う「デンチャ(乗り物)」に大興奮な息子。

とにかく外は寒い。

雨も降っているので、濡れた服が余計に体を冷やします。

ふと見ると、バス停の隣にはタコベルがありました。

そこに入ったら、寒くないし、子どもは中からバスを見られるし、これで一石二鳥ではないか、と思ったんです。

我ながらナイスアイディアと。

天気が良い時のお店の写真です。どこにでもあるタコベルです。

店内に入り、レジに行って、頼もうとした時に、とあることに気づいたんです。

財布。。。

財布を家に忘れてしまったのです。

私はアイフォンを片手に握りしめ「Apple Payは使えませんよね?」と最後の悪あがきをしました。

Apple Payとはスイカみたいなもので、携帯をかざすだけで支払いが済ませられる優れものです。

しかし、店長のおじさんは、申し訳なさそうに「ごめんなさい、それはうちでは使えないよ」と。

そうですよね。。。

私は渋々あきらめました。

支払いもしていないのに、店内にはいられない、と子どもをつれて外に出ました。

ごめんよ、お父さんが財布を忘れたばかりに。。。

そんなお父さんを励ましたいのか、あい変わらず目を見開いて「デンチャ」をながめる息子。

息子はデンチャに夢中でした。

2歳手前の子どもの手を引っ張って、雨で濡れて寂しそうにしていた私。

そんな私を見かねたのでしょう。

Apple Payは使えないよ、と言ったタコベルの店長が、お店の外にいる私たちのところに来てくれました。

片手でドアを開いた状態にしながらこう言ったのです。

「中に入って何か頼みなさい、お金はいいから」

私はまるでミリエル司教に出会ったジャンバルジャンでした。

この世にこんな人がいたの、と見開いた目でミリエル司教を見つめました。

私は申し訳なく思い、一度はせっかくの誘いを拒んだのですが、いいから、というミリエル司教の言うがままに建物の中へ。

そして、申し訳なかったので、一番値段の低い$1のブリトーを頼みました。

すると、わざわざそれをセットにしてくれて、合計4ドルのメニューを無料で提供してくれたのです。

私はブリトーセットをトレイに乗せて、息子と一緒に窓辺の席に座りました。

「美味しいね、ありがたいね」と言いながらそのブリトーを完食しました。

まるで戦時中にご飯にありつけることができた親子のように。

息子も心なしか、おいしそうにブリトーをほおばりつつ、「デンチャ!」と叫んでました。

たった4ドルでしたが、その時の私にとってはプライスレス。

あのブリトーの味は一生忘れないでしょう。

辛い時ほど、悲しい時ほど、人の優しさが身にしみるものです。

私は心にちかいました。

店長への恩返しのためにも、このタコベルには何度も来よう!

そしてブログにも書いて宣伝しよう!と(笑)

ビーバートンの185thとウォーカーの交差点にあるタコベルです。アップルビーズの隣にあります。

ぜひ、タコベルに行きたくなった際には、こちらの185thのタコベルへ!

世の中って捨てたもんじゃないです。

ミリエル司教(店長のおじさん)ありがとうございました!!!

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