今の水際対策が続くのなら日本帰国は当分やめておこう、と思った一時帰国でした。

ポートランド郊外、シアトル郊外、バンクーバー・キャマスWAにて巣鴨アドバンススクール(学習塾)とビーバートンにて巣鴨キッズ(幼稚園)を運営しています、みとのやです。

今回の一時帰国の目的はただ一つ。

それは労働ビザの更新!

労働ビザとは

日本のパスポート

日本人が、アメリカで働く上で必要なのが労働ビザ。

労働ビザがないと、アメリカで合法的に働くことはできません。

私が持っている労働ビザは5年に1回は更新をしないといけないもの。

ただ、アメリカ国内では更新ができません。

更新するためには、アメリカ国外に出ないといけません。

いつもですと、やった!日本に帰る口実ができた!とワクワクなのですが、今回ばかりは事情が違います。

日本は水際対策を強化している昨今。

入国も大変ですし、入国しても3日間のホテル待機に2週間の自主隔離。

周りの人から「入国は本当に大変だったよ」と耳に入ってくるわけです。

何が楽しくて水際対策強化中に、日本に入国する必要があるのか。

今回ばかりは仕方ありません。

ビザ更新ですからね。

とにかく、文句を言っても始まりませんので、入念に準備をして、いざ一時帰国です。

第1のハードル:PCR検査

2021年7月の段階では、日本入国に必要なものは以下の4つでした。

  • PCRの陰性証明書
  • 誓約書
  • 質問票
  • アプリのダウンロード

詳しい情報は、こちらの厚労省のページをチェックください。

常にアップデートされていますので、最新情報を入手するようにしてくださいね。

厚労省のページをチェックしまして、指定の陰性証明書を印刷。

厚労省の指定フォーマットPDF

その他の誓約書など必要な書類は全て印刷。

質問票もしっかり回答して、QRコードをゲット。

必要なアプリ(MySOSCOCOA)も事前にダウンロード。

そして、いざポートランドにあるPCR検査機関へ!

PCR検査も飛行機の出発時間から72時間前のものを受けないといけません。

まずは第一のハードルとなるのがアメリカでのPCR検査。

PCR検査を受けて、陰性証明書をもらわなければいけません。

私たちが選んだのは、友人から紹介されたこちらの検査機関(Go Health Cedar Hills)。

検査自体は、予約をして行ったからか、30分ほどで終わりました。

とってもスムーズに行きました。

私も、妻も、息子も鼻の奥に綿棒みたいなものを突っ込まれました。

なんと言ったら良いのか。

もちろん心地よいものではなく。

だからと言って、もう二度とやりたくないか、と聞かれると、そうでもなく。

本当に綿棒を鼻の奥に突っ込まれる、文字通りのことをされました。

息子は刺激のせいか、目から涙が。

ここで陽性結果でも出ようものなら、飛行機には乗れないし。

職場にも行けなくなるし。

最悪なことになるぞ、と思いつつ。

ドキドキして待っていると、ドクターが部屋に入ってきました。

「Congratulations!」とやはり陽気なアメリカンです。

陰性結果で、おめでとう!と言ってくるドクターはおそらく日本にはいないでしょう。

とにかくホッとする私たち。

ここで無事に飛行機に乗れる。

とにかく安心して、笑顔でパシャり。

陰性証明書を手にして、ホッと一安心。

息子は、強そうでしょ!というポーズ。

小学1年生が考えていることは、よく分かりません。

第2のハードル:ポートランド空港とバンクーバー空港

そして、次のハードルは、ポートランド空港とバンクーバー空港です。

今回、私が買ったチケットは、カナダのバンクーバー経由のエアカナダ。

そうです。

このご時世に、カナダ(外国)を経由して日本に帰る、という。

非常に面倒なことをしました。

妻から、「なぜ国内経由ではなく、外国経由の飛行機を取ったの?」と。

「安かったから。。。」といつものごとくあまり深く考えない私。

カナダ経由で行くには、ESTAならぬETAという渡航許可証が必要です。

前に、このETAを取らずに、カナダに行こうとした時は、本当に大変な目にあいました。

(参照記事:アメリカからカナダ経由で日本に帰国:ETAを忘れるな

ETAも前に取得したものを確認して、空港に向かいました。

ちなみに、息子はアメリカ生まれのために、アメリカのパスポートで移動するため、ETAは必要ありません。

ポートランド空港のエアカナダのカウンターに行くと、職員の方に言われました。

「日本が最終目的地なら日本政府の陰性証明書が必要だけど、持っていますか?」

はい!もちろんです。

「これなら大丈夫ね、それとミーソスも必要だけど、あなたたちは持っている?」と。

ミーソス?ソース?

yakisoba ソース?

Okonomiyaki ソース?

私たち夫婦の頭の中は???でした。

「日本の政府がミーソスというアプリを持っていないとダメ、と書いてあるのよ」と。

私たち夫婦も、やっと合点がいきました。

あぁ!マイエスオーエス(MySOS)ですね!アプリね!

ミーソスなんて、一体どんな読み方よ?と心の中でツッコミを入れつつ。

私たちは、厚労省のページを入念にチェックしておりますので、もちろんそのアプリはダウンロード済みです。

アプリを見せると、それならオッケーね、とのこと。

今回、バンクーバー経由ということでしたが、バンクーバー空港に入っても、カナダに入国するわけではないので、カナダの入国条件を満たす必要はないとのこと。

ここら辺、ややこしいのですが。

空港って、イミグレーションを通らないと、その国に入国したことにはならないのです。

とにかく無事に、ポートランドからカナダの空港に入れました。

カナダでも3時間待ちです。

過去に7時間待ちを経験した私たち。

3時間なんてあっという間よ!と。

(参照:バンクーバー空港に子づれで7時間まち:何する?

空港で待つこと2時間後、そろそろ飛行機に乗る頃かな、とふと見るとカウンターに長蛇の列が。

なんでもPCRの陰性証明書をもう一度確認しているのだとか。

長蛇の列の先には、地上職員の方が忙しそうにしていました。

やっとの事で私たちの番に。

職員「早く書類を見せて!」

イライラが伝わってくる地上職員。

恐る恐る、陰性証明書を見せます。すると

「これじゃないわよ!」

えぇ、いきなり怒られた!と、ちょっと焦る私。

何、その態度!?と切れそうな妻。

でも話を聞くと、日本で提出する陰性証明書を出して欲しい、とのこと。

なんだよ、それならそうと言ってくれよ、と思いつつ厚労省が指定した証明書を見せました。

隣では、中国人のおばあちゃんが、証明書のダメ出しを受けていました。。。

おばあちゃん。。。かわいそうに、それがないと飛行機に乗れないのよ。。。

ふと気づくと、周りはカナダ代表のオリンピック選手。

おそらく有名な選手もいたのでしょうが、私たちにそんな余裕はありません。

とにかくこのイライラしている職員の許可をもらわないと、飛行機に乗れない。。。

「はい!いいわ!次!」

というわけで、イライラな職員の洗礼を受けつつ、無事に飛行機には乗れました。

よかったよかった、とゲートをくぐり、飛行機に入れました。

荷物をしまって、席に着き、映画をみはじめた、私たち3人。

どんな映画を見ようかな。

今となっては、唯一ゆっくりと映画を観れる空間が飛行機の中になってしまいました。

日本行きの飛行機だと、邦画も多いので、ウキウキです。

そして、映画を見始めました。

この映画面白そう、と。。。。

映画を見入っていた私。

ふと気づくと、すでに映画が終わろうとしていました。

そうなのです!

飛行機の席に着いてから、もう2時間が経過。

いまだに飛行機はバンクーバーを出発していなかったのです!

というのも、団体のお客さんの陰性証明書が不十分だったために、そのお客さんの荷物を飛行機から降ろさなければならず、時間がかかっているとのこと。

結局、席に着いてから2時間後に、やっと飛行機は出発できたのでした。

10時間のフライトで、成田へ。

もうこの時点で、私たちアラフォー夫婦はヘロヘロでした。

ポートランド空港でのチェックイン、2時間のフライト待ち、1時間のフライト、3時間待ちのバンクーバー空港、2時間待ちの機内での映画鑑賞、そして空の上での10時間。

合計で18時間。

もうヘロヘロだったのですが、本当の本当にヘロヘロになるのは、ここからでした。

第3のハードル:日本入国

大勢のオリンピック選手と一緒に、日本に入国。

気分は少しオリンピック選手。

写真を撮りたければ、とってもいいですよ!という鼻高々な気分。

しかし、オリンピック選手は右手に、その他の方は、左手に、と言われて、現実に帰ります。

そうだ、私はオリンピック選手ではなかった!

私の目的はビザ更新だったのだ!

と、我に帰りつつ。

ついに日本です。

日本だ!やった!

と思ったのもつかの間、ここからが本当に辛い辛い旅路となりました。

日本時間夕方の4時ごろに到着。

この時点で、ポートランド空港を出発して、18時間が経過。

かなり眠く、体も疲れていました。

まずは、番号が書いてあるパイプ椅子に座らされます。

誓約書のチェックを受けます。

文章で書くと、本当に数秒なんですけどね。

この上記のプロセスだけで、1時間かかりました。

この1時間の間、職員の方が私たちの人数を確認。

前から後ろへ数えたかと思うと、後ろから前に数えています。

あの職員の方は、何往復、そして何度人数の確認をしたのでしょうか。

何度も何度も人数を確認していました。

一体、そんなに数を数えて、何をしたいの?とイライラ。

そして、やっと移動です。

次は陰性証明書の確認となります。

これまた隣では、台湾人らしきおばあちゃんが陰性証明書のダメ出しを受けていました。

おばあちゃん無事に入国できますように。。。

陰性証明書の確認が終わりました。

そして、次の場所で、唾液によるPCR検査。

鼻に綿棒突っ込まれるよりも、唾液の方が100倍負担が小さいですね。

ここは比較的すぐに移動となりました。

別の場所では、まずは書類のチェック、そしてアプリが携帯に入っているのかチェック。

ここで更に1時間経っています。

移動します。

別の場所で、書類チェック。もうここらへんになるとあまり記憶にありません。

なすがままです。人間、寝不足になると、正常な判断ができなくなってきます。

移動します。

ここで待機して、番号を呼ばれた人からホテルに移動、とのこと。

この時点で、もう空港についてから4時間ほどが経過。

もう何もすることがないので、携帯を無駄にいじります。

このブログ記事のネタのようなものを携帯で入力していました。

ただ、今読むとただの酔っ払いの文句だったので、お蔵入りとしました。

そして、ついに番号が呼ばれました!やった!

と思ったのも束の間、ここからチェックインした荷物を受取、バスを待ちます。

そしてやっと来たバスが、こちら。

完全にビニールでラップされたバスです。

まじですか。

私たちは病原菌か何かでしょうか。

ここでちょっとバイキンマンに同情する私でした。

バイキンマン、今までごめんね。

僕も「バイバイキーン」って言ってアメリカに戻りたくなったよ。

そして、バスに揺られること5分程度でしょうか。

ついにホテルに到着。

これでベッドに横になれる。

ポートランドの我が家を出発してから、もう20時間以上が経過。

完全に徹夜明けの気分です。

学生ならまだしも、アラフォーは徹夜なんてアホなことはしないのです。

なぜなら、徹夜するほど体力もなければ、自分の体をどういたわったら良いのか数多くの痛い経験をして分かっているからです。

ホテルに着いた。。。

すると、サンサンと眩しい蛍光灯が光るロビーに通され。

席に座らされました。

チェックインのためなのか、またまた職員の方と対面です。

「では、まずはパスポートと陰性証明書を見せてください」

おい!

もう42.195kmを走った後に、もう1kmあるよ、と言われたような気分とでも言いましょうか。

これで最後だと思っていたのに!

信じていたのに!(何を?)

嘘だと言って!(だから何が?)

私も妻も、さすがにイライラを隠せず。

もうここまでたらい回しにされて、ここまで同じ書類確認を何度もされてですよ。

さすがの私だって、こうイライラが爆発しましたよ。

だから、鼻息を荒くして言ってやりましたよ。

どんな質問をされてもですよ。

どんな質問をされても、こう対応してやったんですよ。

「はーい」と。(笑)

完全に叱られた後に、ふてくされている中学生のような対応。

はい!ではなく「はーい」。

さすがにここで怒りを爆発するのは、大人気ないと思ったのでしょう。

もう最後の悪あがきですよ。

職員「3人とも同じ部屋でよろしいでしょうか。」

はーい

職員「1日にお弁当は3回支給されます」

はーい

職員「何か他に質問はありませんか。」

はーい

今、思い出すと、職員の方々には大変失礼な態度を取ってしまいました。

ただのふてくされた中学生でした。本当にごめんなさい。

そして、やっとのことで、部屋に通され、もらったお弁当をかじって就寝。

ポートランドを出発してから21時間後に、ついにベッドで寝ることができたのです。

「はーい」って言って申し訳なかったな、と思いつつ眠りにつきました。

まとめ

第一のハードルのPCR検査もドキドキでしたが、序の口でした。

第二のハードルのポートランド空港とバンクーバー空港も、なんだかんだでスムーズでしたね。

やはり一番精神的にきつかったのが、第3のハードル。

日本入国でした。

時差ボケで眠くて、長時間のフライトでヘロヘロな中、何度もタライ回しにされて、何度も書類確認をされたら、さすがにイライラが爆発しそうでした。

もちろん職員の方々は何も悪くなく、しっかりと仕事をこなしていました。

「はーい」と反抗期の中学生のような返事。

我ながら、今思い出すだけでも、笑えます。

本当に失礼だったな、と。

これ思ったんですよね。

これ、わざと非効率的な水際対策のプロセスにしているのでは、と。

わざと、タライ回しにして、何度も書類確認をして、相手をイライラさせる戦術なのかな、と。

そうすることで、私のようなものが、ブログに書くわけですよ。

「イライラがたまって、ふてくされた中学生のような返事をしてしまいますよ!」って。

そうしたら、日本への人流を減らすことができますからね。

ただですね、精神的にきつかったのは、ここからの3日間のホテル待機と、2週間の自主隔離なんですけどね。

それはまた、次回に続きます。

「はーい」の返事にいいね!していただけると、嬉しいです!