前回に引き続き、アメリカで家を売った実体験です。

ショーイングタイム

家を売ると決めてから、数日後から、ショーイングの始まりです。

まるでショーでも始まるかのようですが、ただの内見です。

家を買いたい人に家を見せるということ。

早速こんなテキストが携帯に届くようになりました。

「showing RQSTD 4/11 2pm-2:15pm」

最初の日は2件。

次の日は1件。

その次の日は2件。

と言ったように。

すると、私たち家族はその時間の前後に家を出ます。

showingが2pmとなっていたら、1:45までには家を出るのです。

もちろん、私たち家族は普通に家に住んでいるわけですから、いつも通りの生活をしながらも、家を出るときは本当にきれいにしなければいけません。

家が汚いから買わない、と買い手を逃したくはないわけですね。

そんなわけで、私たちは家族総出で、大掃除をします。

ピカチューもびっくりするくらい、家をピカピカにして、家を出ます。

「ピカピカ!」とピカチューも言ってくれていることでしょう。

そして、モデルルーム並みにきれいになった我が家を出て、近所で待機。

適当に車で近所の公園の駐車場とかに待機です。

そして、ショーイングタイムが終わる頃に家に戻ります。

家に戻ると、時に名刺が置いてあります。

それは不動産屋さんがここにいましたよ、という印らしいです。

私たちはそれを知らず、名刺がおいてあるということは家を買う気があるということなのだと勘違い。

名刺があると喜び、名刺がないと落胆していました。

名刺のあるなしは本当は家を買う買わないとは関係ないようです。

オファー①

そんなショーイングが毎日のように続き。

毎日のように、ピカチューの声が聞こえてくる日々を過ごして4日目。

ついに!

ついに家を買いたいというオファーが届きました。

このオファー、実はショーイングに実際に足を運んでいない人たちでした。

最近は、リモートで家を見る人も多いらしく。

不動産屋さんがフェイスタイムとかで家を見せるそうです。

さてこのオファー、向こうから提示されたのは私たちが家を売りに出した金額より少し上の金額でした。

ただ、私たちとしても少し低めの金額として出したので、念の為カウンターオファー。

オファーに対してカウンターオファーとかね。

アメリカっぽいですよね。

当然向こうはカウンターオファーを受け入れると思ったのですが、意外にもカウンターオファーを却下。

実はこの週から、FRBの金利引き上げのニュースが飛び交うようになっていたのです。

金利が上がるということは、家が売れにくくなる、ということ。

もうカウンターオファーを後悔しても何も始まりません。

気を引き締めて、再度、家をショーイングです。

もうそれこそ天国から地獄。

繰り返しますが、毎日のようにピカチュウの声が響きます。

「ピカピカ!」

もう嫌。

これが正直な感想です。

毎回のように家をモデルルーム並みにきれいにするのですから。

そして売りに出してから1週間後に、FRBが再度の1%の利上げ。

さて、大変です。

金利が上がるということは家が売れなくなる、ということ。

FRBもインフレ退治に必死。

私たちも家をピカピカにするのに必死。

FRB対ピカチューです。

さて、金利が上がり続け、家の価格を下げなければ、どんどん買い手の負担が増えてしまいます。

そこで我が家もショーイングの件数が少なくなってきた14日後、不動産屋さんからの提案で$5000の値引きをします。

もう目の前で50万円とか100万円とかが行ったり来たり。金銭感覚が狂ってきます。

そして、価格を下げたその日に、2件のオファーが。

一件はインスペクション(家の事前検査)なしで提示価格よりも2万ドル低い金額。

もう一件はインスペクションありで提示価格より少し上の金額。

私たちは後者を選びました。

そして、売り手と買い手、お互いに契約書にサイン。

売りに出してから2週間後、ついに家が売れたのです!

いえ、正式には、お互いが家を売り買いする意思があるよ、という前置きの契約。

でも、私たちは一安心。

これで日々のモデルルーム地獄から解放される。

これ以上ピカチュウの声を聞かなくて済む。

私たちは本当に安心しきっていました。

インスペクション

そして、数日後、家のインスペクションが始まりました。

インスペクション(事前検査)とは何か。

来ました。そうです。インスペクションとは何か。

今日もやっておきましょう。

あの映画監督が撮影始まる時にいうセリフね。

そう、そうってそれは

「アクション!」だね。セリフでもないけどね。

ヤフーがそれで有名になったよね。

そう、そうってそれは

「オークション」だね。我が家をオークションに出さないでください。

わかった、くしゃみをする時!

そうそう、それは

「ハクション」って違うがな。

そうです。インスペクションです。

インスペクションとは、家を点検することですね。

何か家に根本的な問題はないか、とかですね。

家が傾いていないか。

シロアリに食われていないか、とか。

プロのインスペクターがいますからね。

彼らが買い手のために、家を徹底的にチェックするわけですよ。

ドキドキしながら彼らの結果を待ちます。

ま、我が家に限って何か大きな問題はないだろう、と油断していました。

不動産屋さんから電話がかかって来ました。

ドキドキしながら電話に出ます。

インスペクションはどうでしたか?

「バッドニュースよ!」

え?マジっすか。。。

「落ち着いて聞いてね。。。。

家が浸水(flooding)だって!」

え?(汗)

あなたは一体何を言っているのでしょうか?

浸水ってどういうことでしょうか?

ピカチューは雷ではなく、水を出していたのでしょうか。

「床下に水が溜まっているそうよ。家はまるでウォータベッドのようだって」

え?え?えぇぇぇぇぇ!!!!

家が浸水?

私たち家族は、今現在その家に住んでいるんですが?

家に住んでいていいの?家が売れるとか、そういう問題じゃないってこと?

ピカチュウどうしてくれる?

というわけで、次に続きます。