パパだよ、という決まり文句を必ず伝えてから、娘との会話を始めています。

ポートランド郊外、シアトル郊外、バンクーバー・キャマスWAにて巣鴨アドバンススクール(学習塾)とビーバートンにて巣鴨キッズ(幼稚園)を運営しています、みとのやです。

最近、娘が塩対応なのです。

私がおはよう、と起こしても、反応がイマイチ。

そっぽをむきます。

しかし、妻が娘のところに行こうものなら、娘は最高の笑顔で迎えてくれるのです。

ふむ。

確かに、妻が担当している時間の方が圧倒的に長いですし。

また最近、ぎっくり腰をやってしまって、なかなか娘を抱っこできない状況が続いていた、というのもあるでしょう。

でも、娘は塩対応。

私が、おはよう!なんて高い声をかけても、どこ吹く風でして。

親指をくわえながら、斜め方向を見つめています。

私は何度も、彼女と目を合わせようと、顔を出すのですが、目を合わせてくれさえしません。

笑顔であっても、私の顔が見えると急に冷めてしまうのです。

「この人だれ???」とでも訴えているかのように。

どうしたものか。

そこで思い立ったのはキャンペーンを行う、という奇策。

私は、パパだよと声をかけるキャンペーンを始めました。

まるで耳の残るCMのように、パパだよ!パパだよ!パパだよ!というのを繰り返して伝えるのです。

パパだよ!

今、ミルクをあげているのはパパだよ!

今、オムツを変えてくれているのはパパだよ!

パパのおかげでスッキリ気持ちがいいね!

パパだよアピールに必死な私。

もうこの奇作しかありません。

どうしても妻には敵わないのは分かっています。

なら弱小がどう強豪に勝てるのか。

もう姑息な戦法に出るしかありません。

パパだよキャンペーン。

パパだよ!パパだよ!パパだよ!

何度も言うので妻からもこう言われました。

「娘もパパってことくらいわかってると思うよ。同じことをなん度も聞かせないでよ」と。

世間では、娘はパパに厳しいのは知っていました。

思春期を迎えた生徒たちの中でもパパには厳しい子がほとんどです。

パパを「あの人」呼ばわりする生徒もいます。

お父さん、あくせく社会の中で揉まれながらも、一家を支えているお父さんたち。

そんなお父さんたちの苦労なぞ、子供達は知ることはありません。

そんな厳しい現実があることを私は知ってはいました。

娘が生まれるという時点で、ある程度の覚悟はしていました。

それにしても、思春期ならまだしも、産後数ヶ月の赤子のうちから、こんな塩対応が始まるとは予想だにもせず。

世の中とははるか斜め上をいく厳しさだな、と改めて思うのです。

そして、パパだよキャンペーンも1週間が経ち。

週末は、娘ともたくさん触れ合える貴重な時間です。

とにかくたくさん触れ合う。

そして、ついに週末の夜になりました。

すると!なんと!

お風呂に入れる前に、娘はついに満面の笑顔を私に見せてくれたのです。

私がパパだよ!と伝えると思いっきりの笑顔で答えてくれます。

キャッキャと笑ってくれます。

私はもうメロメロ。

メロメロパンナちゃんのメロメロパンチくらった状態とは、まさにこのこと。

こんなにかわいい存在が世の中にいるのか、と思うくらいの笑顔で、私はとろけそうでした。

パパだよキャンペーン大成功!

これで娘の塩対応も思春期まではおさまるのでは!

と思っていたら、平日になり、娘と顔を合わす回数が減ると、また塩対応がスタート。

週末は、私もたくさん顔を合わせるので、その貯金が、週末の笑顔となり。

週末の貯金が平日で尽きてしまう、ということのようです。

まぁ、平日の塩対応があるからこそ、週末のメロメロパンチがあるのだと思うしかありません。

まさかの赤子の娘の塩対応に抗う40代のパパでした。