先日、「ちはやふる」というドラマを見ました。

まさに青春とは何か、というテーマのドラマでした。

先日、自分でフェンスを修復した経験は青春だ!と思った話をしたいと思います。

ポートランド郊外、シアトル郊外、バンクーバー・キャマスWAにて巣鴨アドバンススクール(学習塾)とビーバートンにて巣鴨キッズ(幼稚園)を運営しています、みとのやです。

青春ってなんですか?

ドラマ「ちはやふる」、皆さんはご覧になりましたか?

2016年に3部作の映画にもなって話題になりましたが、ドラマは映画版の10年後の設定でした。

うちは家族揃って――といっても幼い娘はもちろん見ていませんが――家族全員で見たドラマでした。

今の時代、家族全員で楽しめるドラマって本当に貴重です。

このドラマを簡単に説明すると、高校生たちが百人一首の競技カルタで全国大会を目指していく、まさに青春ドラマです。

このドラマを見ていると「日本の高校って悪くないよな」と思ってしまいます。
でも、青春なんて当事者である中高生からすると「そんなドラマチックじゃないです」となるんですよね。

先日も生徒が「勉強が大変です」と言ってきて、私が「いいね、青春だね」と返したら、
「全然青春ではありません!」と返ってきました。

別の生徒も「毎日サッカーの練習がきつくて」と言うので、「いいね、青春だね!」と返したら、
「青春じゃないですよ!」と返ってきました。

そう、青春なんて渦中にいる人には分からないもの。

私自身も高校生の頃はきっと青春していたのでしょうが、当時はそんなことを意識したことはありませんでした。
そもそも青春ってなんぞや、という話です。

ドラマの中で、こんなセリフがありました。

「青春って何ですか?高校3年間のことですか?」

そして最終回で回収される、この問いへの答え。

それは何だと思いますか?

私もこの問いに対して色々と考えてしまいました。
まあ、その答えは記事の最後でまた触れたいと思います。

フェンスの修復

先日、私は家族でフェンスの修復を行いました。

もちろん業者さんを呼べば、ものの数時間で済んでしまうような工事です。

妻から「業者さんに頼めば?」とのアドバイスもありましたが、私は自分で修復しようと重い腰を上げました。

上げたはいいものの、立ちすくんでしまうわけです。

「自分にフェンスを直せるのだろうか?」
「いや、直せないかもしれない」
「そもそも何から始めたらいいんだ?」
「一度フェンスを解体しないといけないのだろうか?」

かまど炭治郎ばりに考え込んでしまい、なかなか次の行動が起こせません。

ちなみに数ヶ月は考え込んでいたことを明記しておきます。

そして、色々と言い訳をしては重い腰を上げたり下げたりして、現状維持を続けていました。

友人の一言で重い腰を上げる

そんな時、DIY大好きな友人が提案してきたのです。

「フェンス直してあげるよ」と。

私はラッキーと思うと同時にこう感じました。

「自分で試しもせずにやってもらうのは、本当に自分が進みたい道なのか?」と。

やっぱり、自ら行動せずにフェンスを直してもらったら、私は必ず後悔すると思いました。
「自分でやっておけばよかった」と。

そのため、友人が再度うちに来る前に、フェンス工事を少しでも進めようと決心しました。

まずはいくつかのYouTube動画を見ました。
やはりどう見てもフェンスの修復は簡単そうに見えます。

それでは、いざ開始です!

まずは倒れかけている柱の入れ替え。
柱を掘り起こして、新しいものを入れます。

これが本当に大変でした。
「大変」なんて言葉で済ませたくないくらい大変でした。

なぜなら柱は、コンクリートで固定されているからです。

掘っても掘っても、柱の下に埋まっているコンクリートの底が見えてきません。
私は何度も挫折しかけました。いや、挫折していました。

10分掘っては休憩。
5分掘っては休憩。
3分掘っては娘の相手。
2分掘ってはYouTube動画。

休憩の時間ばかりが増えて、工事の時間はどんどん減っていきます。

勉強ができない生徒の気持ちが、ものすごくわかった気がしました。
「掘っても掘っても、全然進んでいる感じがしない!」

諦めようとすると、今度は妻や息子も一緒になって掘ってくれます。

家族のおかげで私は諦めませんでした。

1日目でできる限り掘りましたが、あとどれくらい掘らなければならないのか分かりません。

2日目もまた掘っては休憩。
でも1日目よりはサクサクと進みました。

そしてついに見えた、コンクリートの底。
「あ、これって底だよね?底に違いない!」

半信半疑の私は家族に聞きながら、全員で掘る勢いを加速させました。
コンクリートの周りの土をどんどん掘っていきます。

そしてついに姿を現したコンクリートの底。
ここまで来るのに2日かかりました。

いよいよコンクリートを抜く時です。

手で引っ張ろうとしても全くびくともしないので、紐を巻き、家族3人で引っ張りました。

「せーの!」

そしてついに、コンクリートを引っこ抜くことができたのです。

ここまでが長かった。

重い腰を上げたり下げたりしただけの数ヶ月。
掘ってはYouTubeを見て休憩する2日間。

まるで走馬灯のように、それまでの行いを思い出しました。

そして家族全員でハイタッチ。
まるで「ちはやふる」のカルタチームのように。

本当に気持ちが良かった。
こんなに気持ちの良いことが世の中にあったのか、と思うほどでした。

ここからも大変でしたが、柱を立ててコンクリートを詰め、フェンスをつける。
もちろん言うのは簡単で、実際は大変でした。

でも、一番つらかったのは最初のコンクリートを掘りだす作業。
なぜなら、いつ終わるのか分からなかったからです。

残りの柱を立てて、コンクリートを詰めてフェンスを取り付ける作業は、終わりが見える作業でした。

目に見えて、完成していくフェンス。

前半のコンクリートを掘り出す工程に比べれば、後半は楽な作業だったのです。

青春とは何か

さて、「ちはやふる」のドラマに戻ります。

「青春とは何か」という問い。

皆さんにとって、青春って何でしょうか。

学生時代の時間のことではありません。
中学の3年間でも、高校の3年間でも、大学の4年間でもない。

ドラマの答えとしては、こうでした。

「青春とは生き様である」と。

私もフェンス修復において選ぶことはできました。

つまり、業者さんに頼んで、ものの数時間でフェンスを終わらせることを。
何のリスクもなく、コーヒーを飲みながらお兄ちゃんたちが重労働しているところを見守ることもできた。

でも、私は自分たちで修復することを選びました。

コンクリートを引っこ抜いた瞬間に悟りました。

「青春ってこれだ」と。

コスパではない。
タイパでもない。

自分の感情がどれだけ揺れ動いたか。
どれだけ苦労する道を選んだか。

それこそが生き様なのでしょう。

もちろんフェンスを直しているときに「これぞ青春だ」なんて思いもしませんでした。

「あーいつ終わるんだ、これ」
「終わりは来るのか?」
「そもそも業者さんに頼めば良かったのでは?」

炭治郎のように頭をぐるぐるさせながら考えていただけなのですから。

まとめ

「青春とは生き様である」というドラマ「ちはやふる」の回答がありました。

大人になると、どうしてもコスパ、タイパを重視してしまいがちです。

でも、実際に心に残るのは、もがいて悩んで、それでもなんとかやり遂げた経験なんですよね。

家族でフェンスを直した経験はまさに、私たち家族にとっての青春だったのです。