新しく冷蔵庫がわが家に来ました。いったい私は、騙されたのかどうか。人類は信頼に値するのかどうか、それが問題なのです。

皆さんの家でも、アメリカで冷蔵庫を買うと、こんな斜め上の体験ができるかもしれません。

ポートランド郊外、シアトル郊外、バンクーバー・キャマスWAにて巣鴨アドバンススクール(学習塾)とビーバートンにて巣鴨キッズ(幼稚園)を運営しています、みとのやです。

冷蔵庫が冷えない問題

過去の記事にて、わが家の冷蔵庫が冷えない問題は書きました。

色々とGoogle検索とドライヤーを駆使して、あら不思議、故障したと思った冷蔵庫が直りました、と。

ただですね。

世の中、やはりそう上手くはいきません!

その後、2週間も経つと、問題が再発。

冷凍庫の温度が何度も上がってくるのです。

おそらく原因は、冷却する場所に霜がたまってしまうこと。

本来ですと冷蔵庫って霜を溶かす機能が作動するんですよね。

その機能が作動せずに、どんどん霜がたまって、冷却機能が失われていくのです。

この霜をドライヤーなどで溶かすと、またまた冷却機能が復活する、という状態に。

霜をドライヤーで溶かす作業も、最初は2週間に1回で良かったものが、1週間に1回は必要に。

冷蔵庫の部品交換という最後の手段にかけようかと考えました。

だって、冷蔵庫の部品交換とか、一生に何度経験できるかわからないじゃないですか。

ブログ的にはとてもおいしい展開じゃないですか。

考えましたが、もう冷蔵庫も15年以上使われています。

色々と検索しても、10年以上使った冷蔵庫が故障し始めたら買い換えるのが良い、とありましたので、しぶしぶ買い換えることに!

新しい冷蔵庫の条件

わが家にあるドライヤーの延命無しでは冷えない冷蔵庫、こちらが少しユニークでして。

ドライヤー無しでは延命できない時点で、十分ユニークなんですけどね。

横幅や高さは、アメリカでもよく売っているサイズの冷蔵庫なんですよね。

ただ、奥行きが短いんですね。

どうしてかというと、冷蔵庫の隣にある棚の引き出し、この奥行きも短く。

同じような奥行きでないと、冷蔵庫が前に出すぎてしまいます。

別に冷蔵庫が前に出ていても良いんですけどね。

「どうだ!」って常に出しゃばってくるわけですよ。

なんだか気持ちが悪くてですね。

冷蔵庫を開けるたびに、「どうだ!」って冷蔵庫に言われているような、ね。

そのために、奥行きが短い冷蔵庫を探しました。

そして、あったのがFridgeairという冷蔵庫。

奥行きが短い冷蔵庫はこれしかありませんでした。

その他の冷蔵庫は、本当に全て奥行きが長い!

つまり、わが家に合う奥行きの短い冷蔵庫はこれのみ。

オプションがこれしかない、というのはある意味、迷うことなく選ぶことができました。

どの冷蔵庫がいいかな、ではなく、わが家に合うのはこれだけ!というのは分かりやすかったです。

冷蔵庫をブラックフライデーで購入して得した?

時はちょうどブラックフライデー。

アメリカ中でお買い物が盛んになる日です。

どこのお店も大きく割引をしています。

わが家が購入しようとしていたFridgeaireの冷蔵庫。

Homedepotのウェブサイトをチェックすると、定価では1899ドルでした。

ブラックフライデー当日。

冷蔵庫の値段を調べてみると、値段は1499ドルに!

400ドル引き!

オォ、ドライヤーで延命措置してよかった!

という訳で速攻でポチりました。

割引というのは本当に恐ろしい。

人を衝動的にさせる割引。

わーい、400ドルも得した♫と喜んでいたのですが、よく考えると、お得な時期は、多くの人が買い物をしたはずで。

過去の冷蔵庫の配達時間は、1日とかそこらだったのですが、今回の冷蔵庫の配達予定は1週間後、に。

ここからまたもう1週間、地道なドライヤーでの延命措置が続きます。

これでドライヤーが使えなくなった、とかなったらブロガーとして嬉しいな、って思ったのですが、ドライヤーは最後まで頑張ってくれました。

冷蔵庫配達日

ブラックフライデーから1週間後の土曜日。

土曜日の午後1時から5時の間の配達予定という通知。

ただ本当に来るのかどうかは当日になってみないと分かりません。

アメリカの配達事情は日本のとは大違い。

まず時間通りに来ることはほぼありません。

詫びることなく、違う日に来ることも多々あります。

最悪こないことさえあります。

いつ配達されるかわからない冷蔵庫。

ただ、配達状況はウェブで確認できました。

配達予定日の当日、わが家への配達まであと5件と。

その間に冷蔵庫の中にあったものは全て移動です。

アイスクリームも、野菜も、お肉も、牛乳も。

そして配達状況を確認しながら待ちます。

冷蔵庫は到着したけど。。。

冷蔵庫は無事に届きました。

1時から5時の間、と言われていたので、予定通りの2時ごろ来たことは驚きでした。

オォ、やるじゃん、アメリカ!と。

ただ、搬入担当の配達業者の人が家に上がってですね、古い冷蔵庫を見ながら衝撃的な一言が。

「これね、今日は新しい冷蔵庫は設置できないね」と。

えぇ???まさか???そんな予想の斜め上行っちゃう???ここまで順調だったのに???と思っていました。

どういうことか詳しく聞きました。

「冷蔵庫に製氷機があるのだけど、配水管と繋げないとダメなんですわ。それでね、おたくの配水管は、直接キッチンシンク下と繋がってるからね。水栓を止めないといけなくなります。本当はキッチンに繋げないからね。配水管工事が必要なんです。それか、配水管の工事はせずにアダブターを買ってくるか。とにかく、また私たちを呼んでくれたら冷蔵庫を取り付けることができるんですわ。」と。

ちょっと何を言っているのか、英語は理解できるのですが、意味が理解できずにいると、2つの選択肢を与えられました。

「AかBか選んでくだせぇ。」

A:キッチンの水栓を止めておいて、水は使えなくなるけど、新しい冷蔵庫を取り付ける

B:キッチンで水が使えるように、今の古い冷蔵庫をそのままにして、新しい冷蔵庫をガレージに置いておく

もうこんな選択肢しか与えられなかったら、皆さんならどうします?

Aのキッチンの水が使えなくなるなんて、考えられません。

水が使い続けられるBを選ぶしかないですよね。

つまり、新しい冷蔵庫はガレージにひとまず置いておき、古い冷蔵庫を使い続けるしかないわけです。

もう映画マトリクスのモーフィアスですよ。

「ニール、赤いピルか、青いピル、どちらを選ぶんだい?」って。

赤いピルを飲んで、新しい世界に旅立つのはお預けです。

青いピルを飲んで、今までの世界に戻るしかありません。

というわけで、新しい冷蔵庫はガレージにおかれ、配達業者のおっちゃんは去って行きました。

それはそれはとても寂しい瞬間でした。

わが家のキッチンに鎮座している古い冷蔵庫。

私はめちゃくちゃ真剣に考えましたよ。

え?まじか。。。配水管工事、またはアダプターつて。

配水管工事って、誰に電話すれば良いの???どこの業者?いつなら電話できるの?

そんな状況の中、私のDIYの師匠でもあり長年の友人に電話しました。

持つべきものは友人

こういう時、持つべきものは友です。

本当に声を大にしたい。

持つべきものは友です。

お金じゃないです。

友人に状況を説明するだけで10分くらいでしょうか。

友人も理解してくれたようです。ただ、友人から気になる発言が。

「確かに冷蔵庫の配水管が直接キッチンに繋がっているのは、こういう時は不便だね。。。ただ僕なら配水管工事はせずに、アダプター買ってくるね。ところで、アダプターってなに?」

え?だってモーフィアス、じゃなかった配達業者さんはそう言ってたよ。配水管工事かアダプターって。

「ちょっと配水管の写真送って。」と友人。

というわけで写真を送ること数回。

こちらが問題となっている古い冷蔵庫の製氷機の配水管。

アメリカにお住まいの方々なら、冷蔵庫の裏を見ると、こんな水の管が繋がっているはずです。

電話の間、femaleとmaleの繋ぎがとうのこうの、と色々と専門的な用語を言われ、私の頭の中は嵐が渦巻いていました。

女性?男性?なに?どっちがどっち?

よくわからない単語を使われると、頭が混乱してくるものです。

もういいや、諦めて業者に頼もう!と喉まで出かかりつつも、忍耐強い友人のおかげで、最後まで考え続けることができました。

下の写真が、ガレージにある新しい冷蔵庫の配水管。

こちらがキッチンにある古い冷蔵庫の配水管。

いかがでしょうか。

どう見ても、両方ともちょうど直径1CMっぽいですよね!

これは一緒の大きさでしょ!

これはアダプター無しでも繋がるでしょ!

ガレージとキッチンを何度も行ったり来たりしては、何度も長さを測りました。

誤差が心配だったので、色々な定規を使って長さを測りました。

私たちが出した結論。

アダプターは必要無し!

アダプター無しで、新しい冷蔵庫の配水管を繋げてみよう!という結論に。

業者さんのモーフィアスはAかBかしか言っていなかったけれど、ただ繋げてしまうというオプションCが浮上。

モーフィアスは、2択だったけど、第3の選択肢を選んでみよう!

無理と言っていたけれど、やってみよう!と。

もちろん言うは易し。

事はそう簡単ではありません。

めちゃくちゃ重い冷蔵庫を、ガレージから一度外に出して、玄関を通って、キッチンまで動かさないといけません。

友人は土曜日の夜遅くに、ハンドトラックを持って来てくれて、冷蔵庫の搬入作業を手伝ってくれたのです。

涙が出るほど、ありがたかったです。

なんども言いますが、持つべきものはお金ではありません。

友人です。

というわけで、重い冷蔵庫をガレージから移動させます。

結構必死です。

少しでも間違えたら私たちは冷蔵庫の下敷きに。

ドキドキです。

無事にキッチンへの移動完了。

「ここまで友人にも協力してもらって、繋がらなかったらどうしよう。。。またガレージに戻さないといけないのか。。。お願いだから繋がってくれ。」

これが私の心の声でした。

でも、反対にこんな心の声も。

「でも繋がったら、あのモーフィアスこと配達業者が言っていたことはなんなんだ?アダプター?排水の工事???まんまと騙されたのか?チビのアジア人だからって甘く見られたのか?」

結果

なんと!

いとも簡単に!

配水管は繋がりました!

止めていた水栓を、流すと、サーっと水が冷蔵庫のアイスメーカーに流れ始めました。

あまりにもあっさり事が進み、正直、嬉しいやら、悔しいやら。

だってですよ。

業者のモーフィアスが、AかBか、なんて言わずに、普通に繋げてくれていたら、こんな面倒なことにはならなかった訳です。

青いピルでも、赤いピルでもなかったんですよ!

いったい自分は騙されたのか?

もうグルグル考えちゃいました。

おそらく、詐欺師とかに騙された人って、こんな風にグルグル考えちゃうんだろうな、って。

あのモーフィアス、もしかしたら、今日が仕事初日で何も知らなかったのか。。。

それとも、ブラックフライデーで、大量の冷蔵庫を運んだから疲れていたのか。。。

それか、車の中では、同僚のおっちゃんと、アジア人なんてちょろいもんだぜ、とでも言っているのでは。。。

いや、早く帰りたかったのは事実で、実は病気を抱えている娘さんでもいるのではないか。。。

もう頭の中がグルグルして、久しぶりにその夜はなかなか眠れませんでした。

まとめ:人類は信頼に値するのか

もう考えても結論出ませんからね。

私が騙されたのかどうかなんてね。

モーフィアスよ。

AもBも選ばずに、Cを選んでやったぜ!と。

何よりも、土曜の夜に駆けつけてくれて、押しつぶされそうになる程重い冷蔵庫を一緒に運んでくれる友人がいたのですから。

そこに感謝です。

沈んだ太陽のことを考えても落ち込むだけです。

昇ってきた太陽を見ましょう。

人類は信頼に値するってことで。

それにしても冷蔵庫の搬入だけで、随分とドラマチックな話になりました。

常に予想の斜め上を行くアメリカ生活。

アメリカ生活はいつまでたっても飽きません。