誰しもがありますよね、初体験。

私の塾講師としての初授業は、大学生の時でした。

初めて鉄砲をうった警察官。

初めて手術をしたお医者さん。

誰もがその道の初体験というものがあるはずです。

そんな初体験を目の当たりにした、献血体験でした。

いつものごとく献血のタイミングを伺っていると、こんなメールが赤十字から届きました。

you’ll also automatically be entered to win one of 12 prize packages! Each package includes a $1,000 Amazon.com Gift Card** and a 65-inch Omni QLED Series Amazon Fire TV!^^

訳しますと、献血すると、10ドルのアマゾンギフトカードがついてくるだけなく!

テレビを前の皆さん!

まるでジャパネットタカタのテレビショッピングのような感じです。

な、な、な、なんと!

抽選で12名の方に、豪華賞品が当たるのです。

1000ドルのアマゾンギフトカードや65インチのテレビまで!

と、私はそんな宣伝に心を踊らされます。

何?献血に行ったら、65インチのテレビ?

これは献血に行くしかない!と。

冷静に考えれば、宝くじ並みの抽選率なのでしょうが、私の思考回路はお花畑。

なぜならわが家にあるテレビは、32インチ!

アパートに住んでいたときは、これで十分な大きさだと思っていたのですが、一軒家に引っ越してからは、さすがにこのテレビだと小さいな、と思うように。

もう12年使っているこのテレビですが、全く壊れる気配がない。

こんなに家電って持つものなのか、と最近は疑問に思っているのです。

耐久性高すぎないか?と。

話を戻しまして、献血に行けば、テレビがアップグレードできる!かも!

そう言われたら、献血に行くしかありません。

私は早速近場で献血所を検索して、予約しました。

献血日、当日。

私は迷っていました。

献血か。。。。面倒だな。。。

チクってするし。。。。

別に献血したところで、何もいいことないし、と。

嫌だなー、嫌だなー、と私は稲川淳二さんのように心で、オドオドしく迷っていました。

そんな迷いを振り切ってくれたのは、家にあった32インチのテレビ。

俺はもういらないんだろ!とすねている小さなテレビ。

そうだ、65インチのテレビが俺を待っている!

私は意を決して、献血所へ行きました。

献血所にて

受付を済ませて、待ち構えていたのは若いナースの方。

脈拍、血圧、ヘモグロビンのチェックです。

ヘモグロビンは、中指にちくっとして血液採取して、酸素濃度を調べます。

そのときにナースさんは、中指をちくっとするときに、掛け声をしていました。

3、2、1!

うん?ヘモグロビンチェックでこんな掛け声をかけられたことないな、と私は思いましたが、そんなものだろう、と無理に納得する自分がいました。

次に脈拍です。

「ちょっと脈拍も高いですね。緊張していますか?」

うん?別に献血は何回も来ているので、緊張はしていませんが。。。。

むしろあなたの緊張感がこちらに伝わってきていますが。。。

その日は献血する人も少なく。

そして、私はベッドに横になり、献血です。

静寂です。

なんだ、この緊張漂う空気。

そして、先ほどの若いナースの方が私の献血をしてくれます。

色々と準備をして、整いました。

静寂です。

なぜか他の5人の職員の方が、こちらを見ています。

え?なにこの注目されている感じは。。。。

静寂です。

そして、ナースの方が私の血管に狙いを定めて、針を指します。

ナースの方は、私の上でに全集中。

え?そんなに腕を見つめて指すもの?と私は疑問になりつつ。

「えい!」

なぜかナースさんの心の声が聞こえてきました。

そして、私の腕に刺さった針から、管を通って流れる赤い血液。

無事に採血が開始されました。

いつもの献血の時より少し痛かったのですが。

まぁ、許容範囲です。

我慢を美徳とする日本人としては許容範囲です。

ふーっと私は安堵していると

周りからは、おめでとう!の声が。

え?なに?どうしておめでとう?

首を振って周りを確認すると、私への賛辞ではありませんでした。

おめでとう、はナースの方にです。

何と、彼女は人生で初めて針を指したそうです。

ま、もちろんトレーニングは受けているはずで。

本当の本当に最初というわけではないのだろうけど。

それでもやっぱり初体験ですからね。

緊張しますよね。

ナースの方もおいくつでしょうか。

私からしたら、塾の生徒との年齢差みたいなものでしょうか。

私はちょっとした腕の痛みを感じながら、ナースさんの初めての針刺しの対象になり、少し社会に貢献できた気分になりました。

そういう年齢です。

若者を応援することが多い年齢になってきましたね。

というわけで、若いナースの方の初体験に貢献できた、っていうお話しでした。

後日談

献血の景品となっていたテレビは残念ながらハズレとなりました。

また次回、挑戦したいと思います!