ドラえもんのキャラクターで、バイリンガルに最も近いのは誰か?と聞かれたら、みなさん何て答えますか?

おそらく「できすぎ君」と返ってくるのが一般的かと。

だってできすぎ君って頭いいし、なんでもできるイメージですからね。

でも、私は「のび太君」こそバイリンガルの象徴だと思っています。

その訳は、一番最後のまとめに。

その前に、バイリンガルの素晴らしさをお伝えできれば。

前回は半分脅しのバイリンガル教育の恐ろしさ、がテーマでしたので、今回はその逆、バイリンガルって素晴らしいですよ、という記事です。

前回の記事

声にならない幼児の思い:アメリカのせいで、ぼくは英語も日本語もできなくなってしまった(フィクション)

バイリンガルの良さは以下の3つです!

  1. 日本語でも英語でも楽しめるコンテンツがある!
  2. より多くの人とコミュニケーションが取れる!
  3. 言語を学ぶ大変さ、そして弱い人の立場に立って物事を考えられる!

特にこの3番目が見落とされがちなのですが、1番から説明していきます。

日本語でも英語でも楽しめるコンテンツがある!

長年、バイリンガル教育に携わっていると、本当に色々なお父さんお母さんの相談を受けます。

どこのご家庭も、色々と模索しながら、日々苦労されています。

子育てって、本当に1つの正解がなくて、だからこそ親子共々、毎日が大変で、それが思い出になっていくんですよね。

こういう保護者の声も。

“「日本語でも英語でも楽しめるなんて、人生2倍得しているよね!」と子どもが言っていて、今まで日本語教育を続けてきて報われた気持ちになりました” と。

そうなんです。邦画もマンガも日本語と英語、両方で楽しめますが、やっぱり日本語の方が数倍面白いんですよね。

洋画も英語で楽しめた方が数倍楽しいように。

なんででしょうね。これはバイリンガルだからこそ分かること。

お笑いだって、あの日本のお笑いの面白さ。

人をバカにして笑いを取るのは好きでないのですが、ボケとツッコミは日本特有の面白さですよね。

「人生2倍得している」とは本当にその通りだと思います。その良さがわかってしまえば、後は勝手に言語力は伸びていくもの。

そこまで持っていくのが本当に大変なのですが。

より多くの人とコミュニケーションがとれる!

私自身、英語が使えて本当に良かったな、とアメリカに住んでいて思います。

どんな時にそう思うかって、やっぱり心が通じた時なんですよね。

先日も塾の近くの不動産屋さんと立ち話をしていて、言語の大切さを実感しました。

彼は黒人の2mはあるおじさんです。

丸坊主です。

でかいです。

その風貌とは全く違ってめっちゃいい人なんですよね。

どれだけ黒人に対する偏見があるんだって感じですが。(笑)

立ち話の時に、子育てって本当に大変だよね、なんて話をします。

でもそのおじさんは、もう子どもが大きくて。

「そうなんだよ、本当に大変なんだ。でも、その大変さが、思い返した時に、ステキな思い出になるんだよ。だから無理しないで体ダイジにな」なんて言ってくれるんです。

まるで不良に優しくされたような。(だからどれだけ黒人への偏見あるんだって!)

こういうたわいもない会話が、私をリフレッシュさせてくれるのです。

人は人に支えられているんだな、って思うと同時に。

人は言語によって支えられているってことも思います。

こういう何気ない言語のやりとりが、日々を美しくしてくれます。

英語しゃべれて本当に良かった、と思う時です。

言語を学ぶ大変さ、弱い人の立場に立って物事を考えられる!

私は、実はこの3番目のメリットが一番大きいと思います。

1番も2番も、バイリンガル教育の結果です。

この結果の方に注目がいきがちですが、この3番目のメリットはバイリンガルを目指す過程で得られるもの。

バイリンガル教育をやっていて思うのは、子どもたちの素直なこと。

これってアメリカの教育なのかな、と思ったり、オレゴン特有なのかな、と思ったりするのですが、ワシントンでも、同じ様子。

つまり、バイリンガル教育を受けている子たちは人に優しい子が多いのです。

言語ができないことを笑ったり、バカにしたり、子どもなのであるといえばありますが、でも日本ほどではない。

言語ができないことをバカにしたりすることは少ないように思うんですね。

だって、皆、英語なり日本語なり、どちらかが劣っているから。

英語が強い子は、日本語が弱かったり。日本語が強い子が英語が弱かったり。

バカにしてもバカにされてしまう。

だからなのか。塾で子ども同士、相手の言語をバカにしたりして笑ったりしないんですよね。

皆、外では色々と辛い思いをしているのだと思います。

駐在の子達は、現地校で肩身の狭い思いをして。

永住の子達は、日本語で肩身の狭い思いをして。

そうやって弱い人の立場を経験している。

人は弱さを知ることで、優しくなれるのだと。

バイリンガル教育って、弱い立場を経験できることが一番の良さなのだと思います。

人の痛みがわかる、これって二言語使えるよりも大事なこと。

まとめ

バイリンガルとなると、保護者の方はついつい1番とか2番とかの結果を求めてしまいます。

しかし、バイリンガルになろうとする過程にこそ、本当に大切なことを学べているのだと思うんです。

ドラえもんの「結婚前夜」というお話があるのですが、そのワンシーンで結婚前のしずかちゃんが結婚に対して不安を抱くんですね。

私が結婚して家を出て行っていいのかしら、と。

そんな時にしずかちゃんパパが、言うんですね。

彼(のび太くん)は「人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことのできる人だ、それが人間にとって一番大事なことだからね」と。

この本は泣けるので、是非本を手に取って読んで欲しいのですが。

バイリンガル教育は、実はなんでもこなせる「できすぎ君」を育てるのではなく、のび太君のような「人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことのできる人」を育てるのだと思います。

のび太君って本当に何もできないじゃないですか。いつもドラえもんを頼って。失敗してしまう。

でも、そんな彼だからこそ、人の痛みを知り、人を大事にできるんだと思うんですね。

そんな痛みを知れる人になれるのが、バイリンガルの真髄なのだと。

この場では、できすぎ君が人の痛みがわかるようになったら最強!という意見は無視しますね。

 

 

そんなわけで、バイリンガルとは、できすぎ君ではなくのび太君!という結論で終わります。

↓ の本、涙なしでは読めない、本当にオススメですよ!