先日のイチロー選手の引退記者会見。
アメリカ、いや、国外に住む日本人へのエールとなりました。
ポートランド、シアトル、バンクーバーWAにて巣鴨アドバンススクール(学習塾)とビーバートンにて巣鴨キッズ(幼稚園)を運営しています、みとのやです。
記者からの質問
記者「マリナーズ時代に孤独感との闘いとおっしゃっていましたが、それはその後も同じような孤独感との闘いだったのでしょうか。」
これを聞いたときに、いい質問するな、と思いました。
さすがですよね。
こういう時、自分だったら何を質問するのかな、って考えます。
そして、イチロー選手の答えも本当にいい言葉なんですよね。
国外に住む日本人全員を応援してくれているような言葉です。
イチロー選手の回答
「アメリカにきて、メジャーリーグに来て、外国人になったこと。
アメリカでは僕は外国人ですから。
このことは、外国人になったことで、人のことをおもんばかったり、人の痛みを想像したり。今までなかった自分が現れたんですよね。
この体験っていうのは、本を読んだり、情報を取ることはできたとしても、体験しないと自分の中からは生まれないので。
孤独を感じて苦しんだこと、多々ありました。
ありましたけど、その体験は未来の自分にとって大きな支えになるんだろうと今は思います。
だから、辛いこと、しんどいことから逃げたいと思うのは当然のことなんだけど、エネルギーのあるときに立ち向かっていく。
そのことはすごく人として重要なことなんではないかと感じています。
個人的感想
私自身もアメリカに来てもう20年近くになります。
その体験からの一番の収穫は何か、と聞かれたら、それは英語力とか、アメリカ人の友達とか、そういうことではないんですよね。
それは自分が外国人になれたこと。
これは本当に貴重な経験だな、と思っています。
小学生としてアメリカに住んだ経験もそうでした。
英語も分からない外国人として過ごした3年間は、それまで日本で問題なく過ごしていた自分のプライドをズタボロにしてくれるには十分でした。
学生として過ごしたアメリカでの6年間も、日々の劣等感との闘い。
どれだけ頑張っても埋められないネイティブスピーカーとの溝。
外国人の自分がアメリカ人の親友を作るのは簡単ではないんだな、と痛感しました。
言葉の壁もそうですが、文化の壁が大きかったような気がします。
こういうことって外国に住んでみないと体験できないことなんですよね。
2週間程度の海外旅行では体験できません。
信頼関係の構築って、時間が必要ですから。
構築されていく中でこそ、感じる文化や習慣の違いなのだと思います。
また英語のレベルが上がれば上がるほど、文化や習慣の違い、または単語のちょっとしたニュアンスの違いなどを知ることになります。(Kさんコメントありがとうございます!)
英語のレベルが上がることで、差別に対する感度も上がるんですよね。
アメリカ人だらけのパーティーとか行った日には、寂しい思いをしたりするんです。
英語がペラペラな私ですら、本当に疲れます。
おそらく日頃日本語では使われていない脳の部位を使っているからでしょう。
日本語の自分と英語の自分って、意識せずとも違うんですよね。
第一言語で会話できることのありがたさ。
同じネタで笑いあえることのありがたさ。
外国人になるっていうのは、大変なことも多いのですが、だからこそ気づけることや、感謝できること、学べることがたくさんあるんですよね。
第一言語で会話できることのありがたさ、これこそアメリカで外国人になれてよかったな、と思う瞬間でもあります。
外国人として海外に住む全ての日本人にエールをくれたような気がするイチロー選手の引退記者会見でした。
イチロー選手、本当にお疲れ様でした!