先日、池川先生という元産婦人科医の方の講演会に参加してきました。
今回JWPDX(旧ポートランド女子会)さんが池川先生を招待してくださり、巣鴨アドバンススクールも会場提供と言う形で協力させていただきました。
池川明先生とは
多くの胎内記憶に関する著作を出している池川先生ですが、元々は産婦人科医の方です。
あまりにも多くの子供たちが、胎内にいるときのことを話すので、胎内記憶について研究し始めた、と言う異端児。
と言うのもお医者さんなんて、完全にエビデンスベースの方々。胎内記憶なんてしょせん子供が言っていることで片付けられても不思議ではありません。
周りからは色々と言われながらも、多くの子供達から情報を収集して研究したそうです。
講演会
私は朝のと夜の講演会、両方に顔を出したのですが、一番印象に残ったのは、池川先生とお母さんのやり取りでしたね。
宿題ってやらないとお母さんは怒りますか?と言う質問。
先生「宿題やらないと怒るんですか?」
女性「ま、たまにですが怒ってしまいますね」
先生「それはどうしてですか?」
女性「宿題をやるのは当然だからですかね」
先生「宿題をやらないとどうなるんですか?」
女性「ダメな大人になるんじゃないですか?」
先生「あ、なるほど、宿題をやらないと、お子さんはダメな大人になるって信じているんですね?お母さんも宿題やらなかったことありませんでしたか?」
このやりとりが一番印象的でした。
お母さんたちからしてみたら、不安なんだと思うんですよ。
子供が宿題をしない。このままでは、遅れてしまう。
自分の子だけ置いてかれてしまうのでは、と。
だから成績だったり点数だったり、目に見えるもので安心したい。
不安を取り除きたい、と。
そうして、不安を取り除くために宿題をやらせることになってしまう。
宿題をしていれば安心し、していなければ不安になる。
これは別にどの年齢にも当てはまる話です。
本来であれば、その宿題を通して成長してほしい、という願いがあったはずなのに。
その願いを忘れて、なんとかして宿題をやらせよう。
なんとかしていい点数を取らせよう、となってしまう。
池川先生は(宿題をやらなくても)「その子が30歳になった時に自立していれば子育ては成功ではないでしょうか」と結論づけていましたね。
まぁ、お母さんたちは「そんなことを言っても、池川先生も小さい頃は宿題しっかりやっていたはず、お医者さんになるくらいですから、うちの子は宿題やらせます」と思ったかもしれません。
でも、池川先生はこう言っていました。
「お子さんのことを信じてあげましょうよ」と。
大事なことは、宿題をやらせたかどうかではなく、親が子供を信じているか。
宿題をやらせよう!でもいいと思うんです。
ただその心がどちらにあるのか。
自分が不安だから、宿題をやらせよう!なのか。
この子を信じて、宿題をやらせよう!なのか。
何を言うか、何をさせるか、もちろん大事なことですが。
何を心に持っているのか、こそ一番大事な点だと思います。
どんな状況でも、宿題をやっていなくても。成績が悪くても。
いじめられても。不登校になっても。
子供のことを信じて、30歳になったら自立していると信じて、接すること。
その信じる気持ちに子供って応えようとするんですよね。
だって、自分にも当てはめてみましょうよ。
皆さんは、どういう先生や大人の影響力を受けてきました。
宿題を強制して来た大人でしょうか?
ガミガミ言って来た大人でしょうか?
私は、私のことを信じてくれた大人たちに影響を受けてきました。
参考記事:← プロフィール
私たち大人ができることなんて、大したことはありません。
飯食わせて、寝床与えて、あとは子供のことを信じて待つこと。
それはまるで、植物を育てるように。
水あげて、太陽の光に当てて、後は花が咲くと信じて待つだけ。
これくらいしか人間にできることなんてありません。
私たちが育てるのではなく、自然が育ててくれるのです。
そのお膳立てをするのが人間です。
昼食会
講演会の後は、お昼を一緒にしたのですが、色々とプライベートなお話を聞けて楽しかったです。
池川先生は、今年の週末は色々な講演会で予定は埋まっているようで、なんとかしてポートランドにきてくれた様子。
海外でいうと、エストニアやデンマークなども訪ねたことがあるそうで、現地の人よりも、日本人の通訳の方が気持ちが伝わりやすい、など。面白い話をしてくれました。
どうして産婦人科医になったのか。周りに産婦人科医が少ないから、何十年後かに自分がその道の権威になれるぞ、と先輩に言われたから、とか。
一箇所に講演会で呼ばれるのは、3年から4年程度で、そのあとは呼ばれなくなるそう。一巡して、もう必要とされなくなるのでしょう、と達観していました。
まとめ
池川先生は本の感じのままの、気さくな方でした。
決して偉ぶるわけでもなく、腰が低く。
あそこまでお忙しくて有名だと、腰を低く保つのはなかなか難しいかと思います。
やっぱり本を出している方の講演会であれば、しっかり本を読んで講演会に臨むと、得られるものが違いますね。
会場提供という形で講演会に協力できて良かったです。