怒りというのは不思議なもので、時が経ち、冷静になると、どうしてあんなことで怒っていたのか、むしろ笑える!と思えるものです。
ポートランド、シアトル、バンクーバーWAにて巣鴨アドバンススクール(学習塾)とビーバートンにて巣鴨キッズ(幼稚園)を運営しています、みとのやです。
それはロックダウンならぬ、ステイホームなオレゴンの朝でした。
ふと目を覚ますと、妻が困った顔で横に立っていました。
なんだなんだ、と眠い目をこすって体を起こします。
息子に何かあった?もしかして車が動かない?
色々と想定してしまいました。
「ホームベイカリーの羽がキッチンディスポーザにはまってしまった」とのこと。
ホームベイカリーの羽とは
ホームベーカーリーの羽がキッチンディスポーザーにハマったしまった。
この文章だけでは読者の方々には分かりづらいと思うので、簡単に解説を。
我が家で使用しているホームベーカリーとはこちらの象印のです。
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中にはこんな羽があります。これがないとパンが焼けないのです。
妻も一度、ベーカリーに羽を入れ忘れて、全くパンが焼けていなかった、とのこと。
何やらこの羽がなければいけないようです。
妻のパン作り。
様々なパンが出来上がってきます。
時にハムチーズ、時にチョコパン、時に食パンと、大小様々なパンが出てきます。
しかし、そのパン作りもこの羽なしにはできない!
羽はなんとしても取り戻す必要があるのです。
キッチンディスポーザー
そのホームベーカリーの羽ですが、どこに挟まったのかと言うと、キッチンディスポーザー。
日本にお住いの方はあまり馴染みはないと思います。
アメリカのキッチンなら流しに必ずある物です。

何かと言いますと、生ゴミなどを流し入れてスイッチを押します。
すると、生ごみを粉々にして下水に流してくれるというちょっと恐ろしい機械でもあり、優れものでもあります。
我が家も過去には重宝していました。
何と言っても、生ごみを流すだけなのは便利でした。(今はコンポスト作りで生ごみを利用しているので、ディスポーザーに生ごみを流すなんてもったいない!)
そんなホームベーカリーの羽がはさまって取れなくなったキッチンディスポーザー。
ディスポーザーも高価なものです。
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さて、ハマった羽です。
私の中では、こんなものすぐに取れるだろう、と思っていたのですが。。。
1st Try
まず、取り付けられたディスポーザーに手を突っ込んでみます。
もちろん、電源は切った上で。
生ゴミも入っていた部分なので、なんだかバッチイの嫌だな、と思ってました。
でも背に腹は変えられません。
例え、iPhoneを便器の中に落としても私は確実に拾います。
羽を引っ張っても、全く動きやしません。
ペンチみたいな工具で引っ張っても微動だにせず。

私は作戦の修正を余儀なくされました。
羽の前に、このディスポーザーをシンクから取り外そう!
まずはシンクにつながっているディスポーザーの上の部分を外す作業です。
これが固いの何の。
全くびくともしません。
そして、工具を駆使してやっと外れたかと思うと、そのディスポーザーの重いこと。
片手では支えられないほど。
ディスポーザーが下に落ちたら、つながっているパイプも壊れてしまいます。
パイプを外してからディスポーザーを外せばよかった!と後悔は先に立たず。
ディスポーザーをプルプルした両手で支えながら、妻と息子を呼びます。
「やばい、手がちぎれそう!とにかく分厚い本を持ってきて!」私は緊張感ある声で叫びます。
私が緊張感ある声で叫ぶなんて滅多にないことだからでしょうか。
慌てた二人はたくさんの絵本を持ってきました。
「全然分厚くない!電話帳のようなもの!図鑑でもいいから!ディスポーザーが落ちたらパイプが壊れちゃうから!早く!」
今思えば、とりあえずディスポーザーをシンクに繋げ直してから、パイプを外せばよかったのですが。
私はディスポーザーの重さで冷静さを失っていました。
腕がちぎれそう。
やっとの事で、子ども図鑑が数冊手元に届きました。
子ども図鑑によって支えられたディスポーザー。

次にパイプを外します。
パイプを外すのにも、プラスドライバーを使うのですが、電動のは場所を取るため使いにくい場所にあり、手で回します。
しかも微妙な姿勢で。
やっと外れました。
めちゃくちゃ重い。
中を覗くと汚いわけですが、そんなことは気にしてられません。
なんて言っても、二つの機材を買い直したら相当な出費に!
何としても死守しなければ。。。。
私はどうすればいいのだろうか、と悩んでいました。
うんともすんとも言わない羽。
ふと気づくとリビングから聞こえてくるテレビの音量。
息子が最近ハマっているアニメ「シンカリオン」を見ています。
妻は、ソファで横になって携帯をいじっています。
私は何でイライラしているのかわかりません。
ディスポーザーの中の羽のせいなのか、ゆっくりしている妻のせいなのか。
はたまたシンカリオンを見ている息子なのか。
おそらく妻だったのでしょう。
妻のせいで、羽がディスポーザーに挟まっているのに、何でこっちがこんな必死で羽を取ろうとして、妻はソファで横になってるんだ!?と。
とにかくこのまま妻と同じ空間にいたら、頭がおかしくなる。
外は晴れてるし、汚れも気にしないですむから、外でやるぞ!
というわけで庭に出てきました。
2nd Try
庭ならテレビの音も聞こえません。
晴れ渡る太陽の元、鳥のさえずりに囲まれながら、私は羽を取り出すのだ!
これで自分の怒りもどこかへ行くだろう。
その10分後。
「あちぃ。日光が暑すぎる。」
羽は全然びくともしない。
まじでありえない。
妻のせいだ。
このまま俺は日射病にでもなるんだ。
そうだ、ディスポーザーを直していた日系人男性、日射病で病院に運ばれる、なんて報道されてしまうんだ。。。
ふと気づくと、妻も庭に顔を出していました。
申し訳なさそうに。
手には私の帽子が。
そうです。
妻は私のために帽子を持ってきてくれたのです。
暑いだろうから、と。
なのに自分は妻に対して怒っていて。
少し反省し、少し冷静に。
すると、私は思いつきました。
そうだ!youtubeがあるじゃないか!なんで今まで思いつかなかったんだ!
3rd Try
早速調べます。
Kitchen disposal stuck
ありましたありました。
何でも、ハマってしまったら、付属品の棒を使って、ディスポーザーの底に挿して、ぐちゃぐちゃってやると解決すると!
そんな簡単に!!!
2015年の動画だからか、めっちゃ画質悪いけれど、簡単そう!
でも、ディスポーザーを買った時に、解決策の棒は箱ごと捨ててしまったのです!
何だこれ?こんなの使わないでしょ、って。なんてことをしてしまったんだ自分!?
自分への怒り!
近くのAce Hardwareに行って買うしかありません。
お店に行きます。
$9で購入。
家に帰ります。
これで全てが解決するよ!
妻にも息子にも笑顔で言えました。
早速使ってみます。
棒を底に挿して、ガチャガチャ動かすと、緩んで解決!
のはずが。。。。
全く動きません。
びくともしません。
工具を使用しても、棒の方が曲がってしまう始末。
どうしたものかと途方にくれていました。
もうディスポーザーとの闘いも既に3時間が経過していました。
4th Try
もう無理だ。諦めよう。
私は、一度自分の部屋に戻りました。
すると、庭から鉄の鈍い音が聞こえ始めました。
妻が工具を使って、羽を削り始めたのです。
取れないなら削って壊してしまえばいい。
「もう羽は壊れてもいいから。羽だけ買えるから。でもディスポーザーがないとキッチンの水が使えない。」
私はその手があったか!と感心しました。
羽を犠牲にすることができれば、ディスポーザーは救える!
確かにその通りだ!と。
そして、疲れた妻の後を引き継ぎ、カンカン羽を削ること10分。
ついに!
ついに羽を外すことができたのです!

私の歓喜の声を聞いたのか、妻も息子も庭に出てきて皆でハグ。
やったついにやったよ!
まるでJリーグで優勝でもしたかのような我が家。
ホームベーカリーの羽とディスポーザーの組み合わせがこれほどの喜びをもたらしてくれるなんて誰が予想したことでしょうか。
プロローグ
ちょっと傷ついた羽を使いながらも、我が家でも大小様々なパンが出てきます。
ディスポーザーも問題なく作動しています。
今思うと、何であんなことで妻への怒りを抱いていたのか。
小さな自分でした。
でもそんな小さな自分も良しとしたいと思います、だってブログ記事にできたのですから。
怒りとはエンタメである。
くだらない長文読んでいただきありがとうございました。