アメリカで家を購入して2年が経ち、ついにウォーターヒーター(給湯器)を替える時が来ました。

ポートランド郊外、シアトル郊外、バンクーバー・キャマスWAにて巣鴨アドバンススクール(学習塾)とビーバートンにて巣鴨キッズ(幼稚園)を運営しています、みとのやです。

ウォーターヒーターとは

アメリカの家庭では、上の写真のようなウォーターヒーター(給湯器)が主流です。

とにかくでかい!

この中に水を入れて、ガスや電気で温めてお湯にするというもの。

我が家のウォーターヒーターは2008年のもの。もう12年も使ってるんですね。

いつ壊れてもいい年令になってきたので、新しい物に替えようと思った次第です。

シャワーを浴びられるのも、浴槽にお湯をためられるのも、このヒーターのおかげ。

容量としては水が50ガロン入ります。

50ガロンは約190リットル。

190リットルの水をお湯に温めておくものです。

ただ、3人が続けてシャワーを浴びたら、お湯が足りなくなります。

1日平均すると1人8分のシャワーを浴びていて、1人18ガロンの水を使用しているそうです。

それなら3人シャワー浴びたらお湯もなくなるよな、と納得できます。

ちなみに日本の給湯器はタンクレスヒーターと言って、水を貯めておかずに、その場で急速に温めると言うもの。

アメリカにもタンクレスはあるにはありますが、設置費用が4000ドル以上とタンクヒーターの2倍以上するため、大家族でもない限りタンクレスではないようです。

第3の選択肢ヒートポンプ式

従来のタンクヒーターでも、タンクレスヒーターでもなく、第3の選択肢があるんです。

その名もヒートポンプウォーターヒーター。ハイブリッドとも呼ばれています。

ヒートポンプという技術で水を温めます。

日本だとエコキュートという名称のものが有名ですね。

空気中から熱を取り出して、水を温めるとのこと。

電気代も通常のタンクに比べると3割以下に。

それならヒートポンプ式のウォーターヒーターに替えよう!と思いまして、まずは見積もりをとりました。

3社から見積もり

3社ほど見積もりをお願いしました。

アメリカはとにかく見積もりとって比較が大事です。

(参照:屋根裏の断熱材を変えた話

一軒目はA社。

A社が提示したのは2200ドル。ここに補助金が入って1900ドルにまで下がる、とのこと。

しっかり見積書もくれました。

悪くはなかったのですが、最低でも3社から見積もり取るのがアメリカ歴15年の教訓。

次に見積もりをとったのはb社。

1300ドルと言われました。

ただヒートポンプ式のウォーターヒーターをお願いと伝えても、値段は変わらず。

おそらくですが、この会社はヒートポンプの意味がよくわかっていないのだろうな、と推測しました。

そして三社目C社。

メールの返事もはやく。

「普通のウォーターヒーターなら設置費用も含めて1400ドル、ヒートポンプなら1699ドルだ」と。

必要事項のみの返信。

ただ返信も早く仕事はできそうです。

さんざん迷った挙句に、C社にしました。

1番の決めては、Yelpのレビューと、オーナー1人だけの会社だったから。

つまり、良くも悪くも責任をとるのは一人のみ。

上司に話をしてくる、という逃げ道がないわけです。

話が早いはず、と思いC社に決定。

なかなか到着しないスーパーマン

c社にお願いした日は水曜日。

今のタンクの写真を送ってくれ、と言われ↓の写真を送りました。

「写真を見る限り工事に関しては特に問題はなそうだ、金曜日の8時にいけるよ」と言われました。

金曜日、私たち家族はウォーターヒーターのあるガレージを片付けながら待ちました。

ロックダウンで来客のなかった我が家。

人が来るとなると、急に片付きます。

来る約束した時間の8時ちょうどにメッセージがきました。

「到着は9時になりそう」とのこと。

来る約束の8時に9時到着の連絡。

まぁ、アメリカでは本当に良くあることです。

あまりにも良くあることなので、遅刻の連絡が来ただけで許せます。

そして9時に来ました。

おそらく40代後半でしょうか。それとも50代か。

徹底的に無駄を削ぎ落とした引き締まった体。

毎日ウォータータンク運んでるとこんな体になれるなら自分も運ぶか、と思ったほど。

まるでスーパーマンのような鋼の体でした。

ここでは、彼を「スーパーマン」と呼ぶことにします。

彼の筋肉であれば重いウォータータンクも軽々と持ち運べそうです。

現場を見ること5分。

これはダメだ、とスーパーマンは言いました。

「え?」私は焦りました。

「スーパーマンでもダメなことがあるの?」と。

彼はいいます。

「ヒーターの後ろの壁が外に面してると思ったからね。まさかキッチンにつながっていたとは。これなら、水を汲み上げるためのポンプが必要だ。」

「まじっすか。」私は思いました。

そんなことは写真を送った時点で確認するべきことだったのでは?と。

でも相手はスーパーマン。

悪をなぎ倒すためには多少周りに我慢を強いるのが正義のヒーロー。

日曜日また来るよ!と言ってスーパーマンは足早に去って行きました。新しいタンクだけ置いて。

でも私は日曜日を待ちました。

ヒートポンプなら電気代が節約できるのですから。

そして日曜日が来ました。

今日こそは念願のヒートポンプが作動するぞ!と朝起きるとスーパーマンからメッセージが。

「必要なポンプがお店で買えなかったから、他のお店が開く月曜日に設置できると思う。」

今回は着信が朝の5時でした。

分かったよ、スーパーマン。それ絶対に朝の5時ではなく、前日には分かってたよね。なぜ前日に連絡くれなかった?

もう何でもいいから早く設置してくれ、と思いました。

約束の月曜日。

朝9時にメッセージが来ました。

朝の10時には到着予定、と。

そう、連絡来るだけまだマシなのだ、私は自分に言い聞かせます。

スーパーマンといえども遅刻は当たり前。

そして10時48分、更なるメッセージが。

11時には到着できると思う、とのこと。

このスーパーマンはもしかしたら怪獣と対決してるのかもしれない、と私は遠くを見つめていました。

11時に到着。

何も詫びることもなく、彼は工事を始めました。

基本的にアメリカ人はあまり謝ることはしません。

スーパーマンも例外ではなく。

彼の手にはポンプが。

これで完璧さ、とでも言わんばかりの歯並びの良い白い歯を見せてきます。

私はこのアメリカ人のどこから来るのか分からない妙な自信が嫌いではないです。

分かったよスーパーマン。邪魔はしないからとにかく工事を始めてくれ。

その後スーパーマンはおよそ3時間かけて設置工事を終えました。

「何かあったらいつでも連絡くれよ!」と言って彼はまた足早に去って行きました。

こぶしに親指を立てて。

周りに申し訳ないなんて思っていたらスーパーマンなんてできないよなってと思いながら私は彼を見送りました。

ポストスーパーマン

とにかくヒートポンプは起動し、今後の電気代が浮くはず!と今は今後の電気代請求書を楽しみにしてます。

ちなみにヒートポンプですが、空気から熱を吸収して冷気を外に出すために、ガレージの中がものすごく冷えます。

我が家にクーラーはありません。

ポートランドはクーラーなしでも何とかやっていける気候だからです。

ただ、1年に数回は暑い日があり、ものすごく冷えるガレージが我が家の避暑地となっております。

そう、そこはまるで軽井沢。

ガレージで畳を敷いて涼む妻と息子