本当に数ヶ月ぶりにワンオペ育児をやりました。たったの6時間!たったの6時間でしたが、破壊力は無限大。

トイレさえ 一人になれない ワンオペかな(字余り)

今回の記事は、そんなワンオペ育児を振り返りつつ、ワンオペ疲労の原因を探ってみたいと思います。

ポートランド郊外、シアトル郊外、バンクーバー・キャマスWAにて巣鴨アドバンススクール(学習塾)とビーバートンにて巣鴨キッズ(幼稚園)を運営しています、みとのやです。

ワンオペとは

ワン(一人)でオペレーションをこなすこと。

もうワンオペという単語は誰もが知る単語となりました。

ワンオペを育児に付け足すと「ワンオペ育児」となりますね。

妻が外出

妻も長い間、髪を切っていなくて。

コロナで予約が伸びに伸び、1年ぶりに美容院の予約をとった、とのこと。

妻が髪を切ってもらっている間、必然的に私は息子を見るわけですね。

「ワンオペ育児」ですよ。

「大丈夫?」と何度も確認してくる妻。

何も危機意識のない私は「大丈夫、大丈夫」と返すのみ。

今まで何度ワンオペしてきたことでしょうか。

自称ワンオペのプロ。

父親として育児で積み上げてきたものに自信があったわけで ↓

参照:妻倒れる:ワンオペ育児は人を変える

偉そうにワンオペマニュアルなんか書いちゃったり ↓

参照:お父さんのためのワンオペ育児マニュアル

ましてや今回のワンオペはたったの6時間。

息子はもう5歳。

息子も私も成長しているわけで。

さすがに大丈夫だろう。。。

そう思っていたのですが。。。。

今回のワンオペ育児も撃沈でした。

一体何がヘトヘトにさせるのか。

毎回、思うんですよね。

一体何がワンオペ疲労の原因なのかなって。

ワンオペ6時間の流れ

ワンオペ6時間の流れは以下です。

妻の見送り

 ↓

ボルダリング

 ↓

トレジョ(スーパー)

 ↓

ウワジマヤ(日系スーパー)

 ↓

自宅で妻を待つ

実にシンプルな流れです。

シンプルすぎて、私自身がビックリしました。

たった今、書いていて、ビックリでした。

このシンプルな流れの何が疲れるの?そう言われても無理はありません。

だってこれを書いている私でさえ、何が疲れたのか分からなくなるくらいシンプルな工程だったので。

でもこのシンプルなワンオペ行程の裏には高校球児にも負けない汗と涙があったんです。

家を出るのも大変なワンオペ

まずは妻の見送りです。

別れがあることで息子を愛おしく思うのでしょう。

妻は何度も手を振りながら、車で出発。見えない人となりました。

そして、私と息子とでボルダリングへ出発です。

ボルダリング場はよく行っていた所ですが、コロナ以後は初めて。

予約が必須なこと、マスクの着用が必要で、トイレは一つに限られていること、また飲み水も出ないことなどがウェブサイトに書かれていました。

荷物を持っていざ出発。

かと思いきや、マスクを忘れるわ。水を入れた水筒を忘れるわ。

外は炎天下の中、何度も車と家を往復するはめに。

やっと車が出発できたと思ったら3分後。

ニワトリを小屋の外に放置したままで出かけたことに気づき家に戻るハメに。

まだまだワンオペ開始して30分。

先が思いやられました。

通常は妻が厳重に持ち物もニワトリ小屋もチェックしてくれてましたからね。

ニワトリの安否を確認して、小屋に入れて再出発。

ボルダリング場に向かう車中、息子は質問をしてきます。

最近、戦隊モノにはまっている息子。

「どうしてシンカリオンってあんなに速いんだろうね」

「どうしてブラックシンカリオンってあんなに強いんだろうね」

ちなみにシンカリオンとは、ガンダムのようなロボットが闘うアニメです。

私も答えます。

「新幹線のロボットなんだから速いでしょ。ブラックシンカリオンは最強だからね」と質問の答えになってない答えを言います。

まるで政治家です。

すると

「最強ってなに?」と聞いてくる息子。

政治家なお前はせめて辞書にでもなってろ、と思ったのかもしれません。

最も強い、一番強いってことさ、と返す私。

ここら辺は、まだまだ余裕です。

余力があるので、辞書にだってなれてしまいます。

ボルダリングでもないとやってられないワンオペ

ボルダリング会場に到着。

予約制のため、人は本当に少なく。

大きな窓も全開。

これなら空気もこもることはありません。

マスク着用で少し息苦しかったのですが、息子の成長を見れました。

今まで登れなかった壁をやすやすと上るではないですか。

コロナで家にいても、やれることって増えていくんだな、と彼の成長に驚きと感動をする自分。

ボルダリング中、私はほぼ息子の相手をしなくていいんです。

壁が息子の相手をやってくれます。

我ながらワンオペのプロだな、って思いましたね。

自分の手を汚さずとも、相手の力を消耗させる。

これぞプロの手口。

そして、上り続けること1時間。

せっかくなので私も子どもコースをひたすら上り下りしました。

私の手はチョークの粉で汚れました。ここから自分の手がどんどん汚れていきました。

ピンチが大ピンチになるワンオペ

その後に、このまま家に帰ってもワンオペは大変との判断で、トレジョ(スーパー)に向かいました。

壁の次はスーパーに相手をさせる。

やはり私はプロです。

コロナで入店できる人数制限をしているトレジョ。

入口からの列も15分程度の待ち。

帰りたがる息子。

「ねぇ、帰ろうよ!」

私も負けてられません。

「ここで買い物できたら、お母さんが喜ぶよ。冷蔵庫には何もなかったから」とお母さんを言い訳にして鉄壁の守備。

それでも何やかんやと帰りたがる息子。

「好きなものを2個買って良いよ」と伝えて、なんとか息子を列に並ばせました。

炎天下の中、おでこの汗を拭いながら待ちました。

列に並んで半分くらい進んだ時。

ふとポケットを確認すると、財布がないことに気づきました。

車の中だ、と。

つまり一度せっかく並んだ列から外れなければいけません。

息子に列にいてもらうのは、ちょっと不安。

っていうか、アメリカで5歳児を一人にするのはアウト。

安全かどうかというよりも、5歳児を一人にさせるのはアウト。

それでも5歳児を置いていくべきか迷ってしまうほど、私の体力は落ちていました。

後ろの女性の方になんとか頼んで、列の場所を確保してもらいました。

そして、息子と走って車に。

財布も無事に見つかり、列に戻ってこれました。

こういうちょっとしたことなんですよ。

ワンオペの大変さって。

妻がいれば何の問題もなくやり過ごせるのですが。

ワンオペだと、ピンチが大ピンチになるんです。

やっとの事でトレジョの店内に入れた私たち。

涼しい店内。

ただ、息子は好きなものが2つも見つけられず。

「アイスは?ビーフジャーキーは?」と思いつく限りの食品を提案するも、すべて却下。

このイヤイヤ上司は攻略が一番難しい。

結局、家にあるカルピスウォーターがもうなくなる、ということで、近くの日系スーパー・ウワジマヤに行くはめに。

ここら辺でもう私の余力は残っていません。

イエスマンにならざるを得ないワンオペショッピング

カルピスウォーターを買うためだけにウワジマヤにきました。

カルピスウォーターって本当においしいですよね。

カルピスなんて原液を薄めて飲むものだとばかり思っていたので、カルピスウォーターが出てきたときはそのちょうど良いおいしさにびっくりしました。

人数制限されている店内のため、炎天下の中、また列に並びました。

待つこと10分でしょうか。

やっとクーラーの効いた店内に。

旧友がウワジマヤのマネジャーをやっていまして。

会えたので、しばしの英語での談笑。

しかし英語がわからない息子は、一々聞いてくるのです。

今なんて言ったの?と。

これだっていつもなら妻が通訳してくれるので、私は旧友と普通に会話をしていればいいのですが、会話もしつつ同時通訳もこなさないといけません。

何で話に入ってこないお前の同時通訳をしないといけないんだ!と理不尽な上司に心でクレーム。

その後、カルピスウォーターに加えてソーセージむすびも買いたいという息子。

もう私に反抗する力は残っていません。

どうぞどうぞ、とイエスマンになります。

最強にイエスマンな部下となります。

ウワジマヤ買ってと言われても、イエスと言っていたことでしょう。

買い物をやっと済ませ、炎天下の中、熱々になった車に乗り込みます。

ソーセージむすびを買えてにやける息子。

車中でもまたシンカリオンがどれだけ強いのか息子から講義を受けます。

「どうしてシンカリオンってあんなに強いんだろうね」

「どうしてだろうねぇ」と余力のない私の返事は上の空です。

家事さえ終わらないワンオペ育児

やっとの事で家に戻ってきました。

もちろん妻はまだ美容院です。

誰も家にはいません。

私は1人、スーパーで買ってきたものを冷蔵庫に入れました。

その間に、息子はテレビタイム。

テレビ!シンカリオン!とこれまた単語で指示を出す上司。

「テレビつけてくださいでしょ」という妻のセリフを思い出しながら、でもそれを発する力はもう私には残っていません。

テレビをつけ、youtubeアプリを立ち上げ、シンカリオンを検索、そして動画を選んで再生。

やってることなんてたいした事ないんですよ。

でもいちいち自分がやりたいことを中断されるのです。

ふとキッチンを見ると、お昼の後の状態。

当たり前ですが、私たちが家を出ている間、誰も何も片付けていません。

ダイニングには、食べかけのチキンが。

ふとニワトリが心配になったので、庭をチェック。

ニワトリは無事であることを確認。

ワンオペの真の大変さは、息子と時間を過ごすことだけではありません。

それと同時に、家事も行わなければいけないのです。

妻が帰ってきて、家が汚かったら、妻は残念な気持ちになるでしょう。

ここはワンオペのプロのプライド、とおもい。

残りの体力を振り絞って、キッチンとダイニングの片付けをしました。

ダイニングを布巾で拭いている時も、息子からは指示が飛びます。

見たいのはこれじゃない。何を検索してくれ、この動画では嫌だ、だの言ってきては、いちいち私の作業が中断されるのです。

せめてここを拭かせてくれ、と思いつつもイエスマンに。

抵抗する力は残っていません。

帰宅して、買ってきたものをすべて冷蔵庫に入れ、キッチンを片付け、ダイニングを片付けて、何とか任務完了。

トイレでさえ一人になれないワンオペ

息子がテレビを見ているスキをついて、トイレに一人こもって携帯をいじります。

トイレの閉ざされた空間が必要でした。

息子の声が聞こえない時と空間が。

まるで息をするために水面に上がってくる鯉のように、私も酸素が欲しかった。

一人の時間という酸素が。

しかし、トイレに居ても、遠慮なしに息子はドアを開けてきます。

テレビの動画をドラえもんに変えてほしい、と言ってきます。

シンカリオンでもドラえもんもどっちも同じロボットじゃないか!と心の叫びを飲み込みます。

トイレでさえ、自分の時間はありません。

自分の大腸は空っぽにできても、頭の中は空っぽにさせてもらえません。

それがワンオペです。ワンオペなのに、一人になれないのです。

いや、ワンオペだから一人になれないのです。

そして、テレビタイムが終わり、妻が美容院から帰ってきました。

やっと解放された、という安堵感からでしょうか。

私は手に持っていたアイフォンを手から落として、自分の足にぶつけてしまいました。

イテ!と私。

大丈夫?ワンオペの破壊力半端ないね、と心配してくれる妻。

ワンオペ最終章

そして、気付いたら、私の目の前には木の板がありました。

え?ここはどこ?と最初は訳が分からず。

目の前の木の板は息子の二段ベッドでした。

私は寝ていたのです、息子の二段ベッドの下で。

ふと見ると、私には毛布がかかっていました。

日曜日の静かな夕暮れがそこにありました。

どこからか聞こえる息子の寝息。

静かにベッドを抜け出ると、そこには息子がニヤケながら寝ていました。

満足そうな寝顔でした。

彼もお母さんがいない中、久しぶりのお父さんとのマンツーマンで、お父さんに気を遣っていたのだろうな、と思います。

数年前まで片手でも抱っこできる大きさだったのに、いつの間にか両手でも抱っこが難しい大きさになっていました。

珍しく男2人が寝ていた我が家。

妻は1人、美容院で読み始めた小説を読み終えようとしている所でした。

「二人とも相当疲れていたんだね」妻は小説にしおりを挟んで本を閉じました。

ふと見るとダイニングテーブルにはサラダと味噌汁が。

結論:ワンオペの大変さは口頭や文字では伝わりにくい

こうやって一連の流れを書いてたどり着いた結論は、ワンオペとはスポーツのようです。

スポーツなだけに、その大変さが口頭でも文章でも伝わりにくい。

やってみないと本当の大変さは分かりません。

ボルダリングの大変さを言葉で伝えようとしても、やってみないと分からないように。

スポーツの大変さは、実際にやってみるまで本当にわかりませんから。

ワンオペのプロと豪語した私でさえ、久しぶりの6時間ワンオペは破壊力がすごかった。

トイレでさえも、一人になれないわけで。

実は女性陣が求めていることって、男性にワンオペをやってほしい、ではないのかなって思ったりします。

それよりもワンオペの大変さをわかって共感してほしいということなんじゃないかな、と。

ワンオペをやってみると、育児って大変だよね、と心から言ってあげられます。

妻にいつも以上に優しくなれます。

妻の苦労を思うことができます。

一人でも多くの男性陣が、ワンオペというスポーツを体感し、その大変さを女性陣と共有できたら、各家庭もより平和になるんだろうな、と。

トイレでさえ一人になれないワンオペ。

やったものにしか分からない、その大変さ。

ワンオペ、やっぱり男性陣にオススメです。