もう何年ぶりでしょうか。サブウェイに足を運びました。
もう二度とサブウェイのあのサンドイッチは食べれないな、と思ったんですよね。
その訳は?
ポートランド、シアトル、バンクーバーWAにて巣鴨アドバンススクール(学習塾)とビーバートンにて巣鴨キッズ(幼稚園)を運営しています、みとのやです。
うちの塾生(高校生)がサブウェイでアルバイトを始めたとのことで、そのサブウェイに行ってきました。
サブウェイとは全米にあるサンドイッチ屋さん。
私も独身時代はサブウェイに散々お世話になりましたが、結婚してからは一度も行った記憶がありません。
お金出して、わざわざサブウェイに行く理由もなく。
もう10年近くサブウェイに行っていませんでした。
そこに一大ニュース。
10年塾で日本語を教えてきた教え子がサブウェイでアルバイトを始めた、と。
お金払ってでも、行くしかありませんよね。
10年行かなくても、行くしかありませんよね。
車でサブウェイに向かいました、息子と一緒に。
「どこに行くの?」とは息子。
「サブウェイっていうサンドイッチ屋さん。」
「どうして?」
「お父さんの生徒さんが働いているんだよ、だから」とは私。
はやる気持ちを抑えながら安全運転。
そして、サブウェイに到着。
外はあいにくの雨。
傘をさして、息子と駐車場を渡ります。
全米どこにでもありそうなサブウェイの店構えでした。
ガラス越しに見えた店内にいる教え子の姿。
マスクをしてはいましたが、すぐに教え子だとわかりました。
彼もこちらに気づいたのか、二度見されました。
ガラスのドアを引いて、店内に足を踏み入れます。
「おぉ!みとのや先生!」
私にとって彼とはもう10年以上の付き合いになります。
アメリカ生まれ、アメリカ育ち。
もう10年以上うちの塾に通ってくれて日本語を勉強してきました。
塾に来た時なんて、本当にかわいいかわいい男の子でした。
今となっては声も低くなり、ガタイの良い高校生に。
店員である彼は他のお客さんを相手していました。
カウンターに向かうと、もう一人の店員さんが手を洗っていました。
私たちの相手をしようとしていたのでしょう。
私は慌てて方向転換して、奥にあるトイレに。
せっかく教え子のために来たのに、他の店員さんに対応されたら、元も子もありません。
急なトイレへの方向転換。
息子はトイレなんか行く必要ない!と言ってきました。
とにかく行くよ、と私。
案の定、トイレで息子のパンツを下ろすと、しっかり出るものは出ます。
「トイレに来ると、おしっこしたくなるんだよねー」とは息子の言い訳。
教え子に対応してもらいたいからトイレに来た、と言う説明はなんだか恥ずかしかったので、息子のおしっこが出て一安心。
しっかり手洗いもしてトイレを出ます。
タイミングをずらして、再挑戦。
カウンターを見てみると、もうお客さんはいなかったので、狙い通り教え子が対応してくれました。
トイレ行って正解♪と思いました。
何を頼もうかなぁと選んでいるふりをしつつ。
正直何でもよかったんですよね、サンドイッチは。
だって10年付き合いのある生徒が作ってくれるサンドイッチですよ。
パンに何か挟んであればいいよ、と思いつつ。
彼のおすすめ「ステーキ&チーズ」を頼みました。
参考までにおすすめの中身を。
- パン:イタリアンハーブ
- チーズ:アメリカンチーズ
- 野菜:レタス、トマト、パプリカ、玉ねぎ
- ソース:マヨネーズとマスタード
慣れた手つきで、お肉もあたためてくれました。
息子にはミートボールのサンドイッチ。
妻にはシーザーサラダチキンラップを頼みました。
3つもサンドイッチを頼んだので、ちょっと忙しそうにサンドイッチを用意する教え子。
テキパキとサンドイッチを作っていました。
その間、何だかこの10年間が思い出されました。
こいつですよ。
「先生、まだ結婚しないの?」とか。
独身時代から色々と言ってきた教え子ですよ。
「先生、まだ子供できないの?」とか。
「先生、髪の毛大丈夫?」とかね。
何の遠慮もなしにね。
そんな彼が、サンドイッチを作ってくれたんです。
本当に何の変哲も無い全米どこでも買えるであろうサブウェイのサンドイッチ。
会計を済ませると。
先生、またね!とあっさりと送り出してくれました。
おう!またな!と私もお店を出ました。
車のエンジンをかけて、家路に。
「サンドイッチ楽しみだね」とは息子。
「そうだね、楽しみだ」
帰り道も、何だかこの10年のことを思い出してました。
家に着きました。
雨ももう止んでいました。
「ただいま!」と家に入って、ジャケットをクローゼットにかけて、手を洗ってダイニングテーブルに。
サンドイッチをテーブルに並べます。

早速包みを開けて、サンドイッチを食べました。
パクリ
10年前に食べたのと全く同じ味でした。
全く同じ味。
何も変わっていなかった。
でもですね。
これがねぇ。
これが本当においしかったぁ。
味が変わっていなかったからこそ、その違いに気づけました。
同じ味なのに、世界一おいしいサブウェイのサンドイッチがありました。
10年分の彼との思い出がつまったサンドイッチ。
おいしいに決まってるじゃ無いですか。
おいしいに決まってる。
美味しさってなに?っていう話ですよ。
10年前と味は変わらないのに、うまいんですよ。
サンドイッチを食べた時に、感無量でした。
うわぁ、うめぇなぁって。
こんなにうまいサンドイッチが世の中にあったんだなぁって。
そうしたら、妻が、「ね、サブウェイも意外といけるよね」とか言うんでね。
なので、こう伝えました。
「どれくらいおいしいかって言うとね、例えば、うちの5歳の息子が17歳になってサブウェイで働き始めて、作ってくれたサンドイッチくらい美味しんんだ」と。
そうしたら、妻も「そっか、私だったら泣いちゃうよね」と。
「味」と「美味しさ」は同じようで別物でした。
私は世界で一番おいしいサブウェイのサンドイッチを食べました。
うまかったですねぇ。
最高にうまいサンドイッチでした。
世界一おいしいサブウェイのサンドイッチを食べてしまったので、あれ以上のサブウェイのサンドイッチはもう食べられないと思います。
なんて言っても世界一ですからね。
ごちそうさまでした。