キッチンシンクって水が出て、水が流れていきますよね。

何を当たり前な、と思いますよね。

そんな当たり前が当たり前でなくなった時、人は当たり前の存在に感謝できるのです。

ポートランド郊外、シアトル郊外、バンクーバー・キャマスWAにて巣鴨アドバンススクール(学習塾)とビーバートンにて巣鴨キッズ(幼稚園)を運営しています、みとのやです。

全ては妻のこの発言から始まりました。

妻「あなた何やってるの!?」

外から帰ってきた妻は、私に言いました。

え?うーん、家にいるけれど。。。

一体妻は何を言っているんだ?

記憶喪失?

あなたは誰?みたいな?

疑問が頭の中を通過すると妻は言いました。

妻「今日はアーリーリリースの日でしょ!」

あ!そうだった!

アーリーリリースとは何か。

それは、息子が通う現地校がいつもよりも2時間早く終わる日。

いつもなら息子のお迎えは3時なのですが、その日は1時のお迎えだったのです。

そして、時計はすでに1時!

「もう!何やってるの!私が迎え行くから!」

ということで、帰ってきたばかりの妻は、息子を迎えに学校に行くことに。

私はアーリーリリースを完全に忘れて、一人家にいたのです。

今頃、息子は学校で一人寂しくお父さんを待っていることでしょう。。。

私は妻にも息子にも申し訳ないと思いつつ、妻を見送りました。

やっちゃった。。。

謝罪の念からか、何かをしなければと思った私。

謝罪の意味も込めて、お味噌汁を作りました。

そこには例の美味しい地元ポートランド産のOta Tofuが。

しかしこのお豆腐、一つだけ弱点が。

弱点なんて失礼ですが、それは添加物など何も入っていないので、日持ちしないのです。

トレジョのお豆腐とか、一体何が入っているんだ?っていうくらい日持ちします。

それはそれは恐ろしいほどに日持ちします。

しかし、そんな恐ろしいトレジョのお豆腐の期限に慣れてしまった私は、何も疑問も持たずにOta Tofuを味噌汁の中へ。

ふとパッケージを見ると、消費期限が3月8日、3日前。。。

これは賞「味」期限?

それとも消「費」期限?

ま、沸騰すればなんとかなるでしょ!と既に投入されてしまったお豆腐を正当化するべく、開き直る私。

すると、妻と息子が帰ってきました。

場が悪い私は、まずは息子に謝罪。

ただ、息子は「どうして謝るの?」という反応。

大して待たされてはいなかった様子。

それよりも他の子にからかわれたとか何とか、学校での話を聞かせてくれました。

その後、妻が家の中に。

「もう、アーリーリリースのこと忘れないでよね!嫌な予感がしたんだよね。」

妻の口撃が鳴り止まなかったので、まぁまぁ、お昼でも食べようよ、と。

しかしそのお昼のために作った味噌汁は、ちょっと臭いが変でした。

私は残ったOta Tofuを使ったことを妻に伝えました。

妻「あれ消費期限過ぎてるよね!」

確かに過ぎてたけど、煮てしまえば、なんとかなるかなって思って。

「腐ったものを煮たって、腐ったままでしょ!」

というごもっともなツッコミを受けました。

その後、お豆腐をかじってみると、少し嫌な臭いがしたので、お味噌汁は食べないことになりました。

残念ながらお豆腐もキッチンの流しへ。

アメリカのキッチンにはキッチンディスボーザルというものがあり、生ゴミなどはここで粉砕して、下水に流してくれるという便利な代物。

もちろん豆腐も一丁、キッチンディスボーザルを通って、下水に流れていきました。

お豆腐さん、無駄にしてしまってごめんなさい。

ここでも私は謝りました。

まるで鬼滅の刃の丹次郎のように、謝ってばかりです。

しかし、問題は次の日におきました。

そうです。

キッチンシンクから水が流れない!

え?どうして?

昨日のお豆腐?

そもそもが私が息子を迎えに行っていたら。。。

私が余計な味噌汁など作らなかったら。。。

お豆腐も下水に流さなかったら。。。

様々なたらればが頭をかすめて行きました。

とにかくお豆腐が詰まっているのなら、簡単に水も流れるようになるでしょう、と思ったのですが。

しかし、ここからキッチンシンクの水が流れるようになるまでが長い長い試行錯誤の連続だったのです。