先日、息子が通うアメリカの現地小学校にて、遠足がありまして、近くのCooper Mountainという自然公園に私もボランティアとして行ってきました。

遠足自体は、無事に終わり、息子と友達の様子も見れて大変満足な遠足となりました。

ポートランド郊外、シアトル郊外、バンクーバー・キャマスWAにて巣鴨アドバンススクール(学習塾)とビーバートンにて巣鴨キッズ(幼稚園)を運営しています、みとのやです。

遠足は、学校からバスで10分ほどの自然公園でした。

散歩コースも整備されており、自然豊かな丘の上になります。

オレゴンには小さいものから大きな公園まで、ジブリ映画で描かれそうな自然あふれる場所が多くあります。

アメリカと日本の遠足の違い

日本での遠足となると、私の記憶では、保護者ボランティアはいません。

先生たちだけで、1クラス30人程度を見なければなりません。

そのためか、何もかもが事前に決まっていて、バスの席からスケジュールまで、全てにおいて余裕はありません。

また、常に一糸乱れぬ整列をしての移動でした。

私が今回経験したアメリカ・オレゴン州での遠足は、保護者ボランティアが1クラスに6人もいました。

1クラスの生徒は合計18人程度。

大人1人が子供3人を見ればいいことになります。

バスの席順が決まっているわけでもなく。

整列での移動はありましたが、別に一列にならなくても問題なし。

スクールバスに乗り込み、みんなで移動です。

バスの運転手さんも、ゆるーくルールの説明。

「はい、みなさーん、3つのお約束を忘れないでね。移動中は立たないこと、小さな声でおしゃべりすること。そしてお互いをレスペクトすること」と伝えていました。

アメリカでは自由にさせつつも、最低限のルールは守ろうね、と進めます。

全くルールがないわけではないのですね。

日本では、アメリカは自由な国で何でもあり!みたいな見方をする人も多いかと思いますが、多様性のある国ですから。暗黙のルールではなく、最低限のルールが明文化されて徹底されています。

スクールバスで移動して、目的地につきました。

そして、2つのグループ、ハイキング組と課外学習組に分かれます。

私がボランティア担当する子供3人のグループは課外学習組の一つでした。

公園を紹介する職員さんの話を聞きながら、山の中を歩いていきます。

これは何の動物のうんちだろうか。どんな動物が見えるだろうか。Habitat(生息地)とはどういう意味で、どういう条件が揃ったら生息地なのだろうか。色々と話し合いながら、足を進めていきます。

2時間ほど歩き回って、お昼の時間です。

丘の上の建物の中に入って、みんなでお昼を食べます。

もちろん誰がどこに座る、など何も決まっていません。

ここでも、保護者ボランティアは、積極的に職員さんと一緒になって机や椅子を整えます。

別に誰が指示を出すでもなく、主体的に動きます。

ご飯です。

「いただきます」などの声がけはなく、各々が勝手に食べます。息子も私も、妻が作ってくれたスパム結びを食べていたのですが、周りからは「that’s cool(それいいね!)」と言われて、私たちはハワイ出身でもないのに、なぜか誇らしげでありました。

他の子達は、サンドイッチとリンゴ丸ごとが多かったです。

さて、お昼を食べて午後になりました。

午後は、自由ハイキング。

私が担当した子供3人は、女の子2人と息子。

彼らを連れて、ハイキングに行くことになりました。ここでも先生たちから私たちボランティアに声がけがあるわけでもありません。

最初に配布したスケジュールにある通り自由行動よ、と。

「え?あの、勝手にこの子達を連れて行っていいんですかね?自由行動ですよね?行き先とか何も報告もしないで、山の中に進んでいいんですかね。例えばですが、私が犯罪者だったら、どうするんですかね。」とか色々と考えてしまいました。

ただ、学校でボランティア登録するときに、バックグランドチェックと言って、私の犯罪歴などは学校側で見ることができるのでした。

というわけで、3人のためにも、自分がしっかりしなければ、と変なプレッシャーをかけつつも、私は白人少女2人とアジア人息子1人を連れてハイキングへ。

白人少女といえども、当たり前ですが、普通の女の子たちです。

別にうちの塾で会う日本人の子たちと何も変わりはありません。

鳥だ!動物の足跡だ!トトロがいるかも!とか言いながら、自然を探検します。

アメリカでは、ジブリ映画も結構みられておりまして、ポニョとかキキとか、知ってる子は知ってます。

これもジブリのおかげです。

ジブリ映画の中では、個人的には「もののけ姫」が一番好きでして。

「お前にサンを救えるか?」と山犬のモロのモノマネでもしてみたいのですが、白人少女たちがわかるわけはなく、私はモノマネしたい衝動を抑えます。

あの映画、「もののけ姫」は本当に素晴らしく。

一見、悪者に見えていたエボシが、実は村人たちに生きる希望を与えていた、という設定は、善とは何か悪とは何か、ということを若かりし頃の自分に考えさせるには十分でした。

そんなことを考えて森の中を歩いていると、雨が降ってきました。

そしてあっという間に土砂降りに。

私たちは慌てて、お昼を食べた建物に戻りました。

シシガミ様の怒りが、って感じです。

もう雨が止むのを待つしかありません。

打つ手なし。

自然の前に人間とはちっぽけなものです。

女の子たちは雨でずぶ濡れに。

寒さで手がかじかんで、あまりにも痛いのか涙を流していました。

私も私で、寒いねー、大丈夫だよ、と少女たちを励ましながら時を過ごしていました。

その後、雨が止んで太陽が出てきました。

太陽の光は温かく、私たちを癒してくれました。

その後、スクールバスに乗って、学校に戻りました。

ハイキングは少ししかできませんでしたが、雨でビチョビチョになりましたが、なぜだかいい思い出になりました。

いい思い出とは、決して全てが思い通りに行くことではなかったりします。

ちょっとしたトラブルがあって、それが時と共に成熟して、いい思い出になるような気がします。

まとめ:現地校のボランティアはお父さんにこそおすすめ

今回のボランティアですが、うちのクラスは合計6人の大人が参加。

そのうち4人が私を含めて男性でした。

みなさん仕事を抜け出して参加したのだとか。

日本では少し考えられないかもしれませんが、他のクラスにもお父さんのボランティアがいました。

ボランティアはお母さんたちが多いのかと思っていましたが、お父さんたちが多く、意外と日本人のお父さんたちにもおすすめだな、と思った次第です。

例の手がかじかんで泣いていた少女たち、帰り際にわざわざ手を振って挨拶をしてくれました。

なんだか一つ仲良くなれた気がします。