2024年1月、大雪と嵐によりポートランド周辺は大きな被害を受け、わが家も映画「雀の戸締り」となりました。

ポートランド郊外、シアトル郊外、バンクーバー・キャマスWAにて巣鴨アドバンススクール(学習塾)とビーバートンにて巣鴨キッズ(幼稚園)を運営しています、みとのやです。

寒波の中の過ごし方

アメリカ北部を襲った今回の寒波。

雪がふり、息子は大喜び。

早速、雪遊びへ。

近くに公園がありまして、そこの歩道が坂道となっており、上から下へと何度も何度も滑りました。

私も一緒に滑りましたが、しっかりと雪かきもします。

アメリカでは、家の周りの歩道は、自分たちで雪かきをしないと行けません。

歩行者がすべってケガでもしたら、訴えられます。

とにかく歩道だけは雪のない状態に。

とか言って、周りの家は全く雪かきしてないんですけどね。

とにかく私は雪かきとソリで過ごした寒波1日目と2日目でした。

事件が起きたのは、家に閉じこもって5日目のことでした。

そろそろ寒波も終わりだよね、と気持ちゆるくなっていた時です。

食品が消費されていき、冷蔵庫が寂しくなっていく中、私はとある音を耳にしていました。

「サササー」という音です。

水が流れているような、氷がとけているような音でした。

私はてっきり屋根の上で雪がとけているのだな、と思っていました。

つい最近、屋根の張り替えを行ったばかり。

屋根への信頼は厚く。

その後、家族でNHKの「正直不動産2」というドラマを見ていました。

山Pも日本のドラマに出てくるようになったのだな、ここまで大変だったんだろうな、と人の苦労を勝手に想像しながらドラマを見ていました。

その時も、サササーという音がリビングの後ろ、つまりガレージの方から聞こえてくるのです。

雪ってそんなすごい勢いで溶けるんだな、と思っていました。

妻は「何も聞こえないよ」と言い。

息子は「確かに聞こえる!」と、ガレージを指さして言うじゃないですか。

ガレージからそんな「サササー」という音がするわけないか、と私は引き続きドラマを見ていました。

その後、オンライン授業があったりで、夜6時になり。

私はゴミを出しに家の外に出ました。

玄関を開けたその時です。

サササーという音は、ガレージの中から聞こえてくるではないですか。

それは雪がとけるような優しい音ではありませんでした。

まるで滝のように轟音となって聞こえてくるのです。

その時です。

寒波、サササーという雪がとける音、ガレージから聞こえてくる滝のような轟音、ガレージの中の水道管。

全ての点と点が線となって結ばれたのは。

は!

もしかしたら!

私は慌てて、家の中に入り、ガレージに向かいました。

まさか!そんなはずは!

そしてガレージに通じるドアを開けると、そこは映画「雀の戸締り」の世界。

水面に浮かぶドア、ならぬ、水面に横たわる段ボール箱(荷物)!

雀の戸締りのBGMが流れてきます。

元栓を止めろ!

人間というのは、想定外の事態に直面すると、何をしていいのか分からないものです。

とりあえず妻を呼びます。

「大変!!!」

え?どうしたの?

「来て!」

何?

「見て!」

人間、想定外の時は、語彙力は3歳児以下になります。

ガレージを見ると妻もびっくり仰天。

そんな妻を置いて、私はガレージの中に。

下はびしょびしょです。

私は水もれの場所を探しました。

これはどこから水が漏れているのだ?と。

ガレージの壁をたどります。

すると壁一面が濡れている場所が。

やっぱり壁の中の水道管が破裂してしまったのだ、と。

そういうことか!

あのサササーという音はこれだったのか!と。

つまり、パイプが凍結して、破裂して、今水が漏れている音がサササーという音だったのか!と。

納得がいっても嬉しいわけはなく。

謎が解けたところで名探偵にはなれず。

どうしよう!?

壁を壊す?

いやいや、壁を壊してパイプを見つけたところで何もできやしない。

そうだ!元栓だ!

元栓を閉めなければ!

水を止めなければ!

でないと家が崩壊する!

最悪の事態を想定すると人間は動くもの。

とにかく、私は外に出ました。

水の元栓は、外にある郵便受けの近くにあったはず。

しかし、そこは一面雪で覆われています。

歩道の雪かきをしたばかりに、郵便受けの下、水の元栓の上は雪が高く積もっていたのです。

あーなんで俺は雪かきをしたのだ!と悔やみつつも雪をどかします。

俺の元栓よ出てこい!

シャベルで雪をどかします。

夜暗い中、郵便受けの近くをシャベルで必死に雪かきしているアジア人。

もし私がそんな人を見たら警察に通報していることでしょう。

そして、やっと雪をかき終え、元栓が見え、そのフタを外します。

ものすごい勢いで動いているメーター(数字)がそこにはありました。

↑ は雪が溶けた後で撮影したものです。

手で元栓を閉めようとします。

しかし、これが硬いのなんの。

全くびくともしません。

そりゃそうです。

大量の水が通っているのですから。

手で締めることは無理と判断。

私は工具を取りに家の中へ。

妻に何か元栓を閉める工具ないかな、と。

すると、妻が「物置小屋にT字の工具あったよね」と。

そうです。

前のオーナーが置いていった道具の中には元栓を閉める工具も。

一時期、これ何?と捨てようとしていたので、捨てなくてよかった。

私は慌てて物置小屋に行き、T字の工具を持ち元栓へ。

そして、ついに元栓を閉めることに成功したのです。

ふー。

腕で汗を拭いました。

外は氷点下なのに、汗だくでした。

とにかく、これ以上の浸水は免れた。。。

さて、どうしたものか。

断水生活?

まさか自分たちがこんなことになるなんて。

常備している飲み水がありましたので、当分水の心配は無さそうです。

ただ、トイレがいつものように流せなくなる。

私は息子に言いました。

断水だから、くれぐれも一回のおしっこでトイレの水は流さないように、いいね!

「はい!」

緊急時のためか、息子も緊張気味です。

私はトイレに入りました。

用を済まして、トイレから出てくると、耳に入ってきたのは水の音。

「ジャー」

は!この音は?

トイレの水が流れる音!

しまった!俺としたことが!トイレの水を流してしまった!

散々息子に厳しく言っておきながら、自分が流してしまった!

そうです、無意識でトイレのレバーを押してしまっていたのです。

これには息子も妻も大笑い。

あれだけトイレの水を流すなって言ってたのに。。。。

腹を抱えて笑う妻と息子。

シャットオフバルブ

そんなわけで、私はyoutubeで勉強です。

「Pipe burst what to do」で検索です。

(パイプ 破裂 何をするべき)

何個か動画を見ていると、元栓を閉める、とありました。

そう、それはやった、と思って次の動画に行こうとすると、その動画は続きました。

元栓というのは一つだけれど、シャットオフバルブ(Shut off Valve)というのがあって、それを使えば部分的に断水ができる、と。

は!

そういえば、わが家のガレージにもシャットオフバルブがあったはず!

それを回して、部分的な断水をすれば、元栓を開けても、水漏れは防げるのでは!

私は再度、見たくもない雀の戸締りなガレージに入りました。

そこにはシャットオフバルブがあったのです。

今まで気にしたこともなかったシャットオフバルブです。

これだ!

これを時計方向に回します。

今回は、手で閉じることができました。

そして、妻に全てを説明して、今から外にある元栓を開けてみるから、もし壁の中からサササーっていう水の音がしたら教えて、と。

ドキドキしながら元栓を開けます。

すると妻から音しないよ!という報告が。

そんなわけで、わが家の断水は3時間程度で終わったのでした。

断水が数時間で終わり、浸水の被害がガレージの一部だけに終わってくれたのは不幸中の幸いでした。

まとめ

↑ はガレージの内壁を壊して、直したパイプです。

オレゴン歴の長い私たちは、寒波に対する準備は万端でした。

外の蛇口にはカバーもつけていましたし、キッチンシンクの水もポタポタ垂らしていました。

家の温度も一定以上に下げないよう、暖房はかけっぱなしにしていました。

それでもガレージのパイプが破裂した原因としてあげられるのは、2つ。

ポタポタさせていたキッチンシンクが水道管の端っこではあったのですが、ガレージから外に通じる水道管ももう一つの端っこだったこと。

両方の端っこにて水をポタポタさせる必要があったようです。

また2つ目の原因としては、ガレージの壁に断熱材が入っていなかったこと。

どうりでガレージの中は異常に寒かったわけです。

断熱材がガレージの壁になかったせいで、壁を通っているパイプは冷え冷えになっていたのです。

って知るか!

家を買うときに設計図でも見せてくれ!

本当に痛い思いをしましたが、学びもあったので、しっかり次回に生かしていければと思います。

私は今後、映画「雀の戸締り」のBGMが流れてくるたびに、今回の事件を思い出すことでしょう。

最後に、水の元栓を止めるT字工具のリンク貼っておきます。

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