もう2013年の話ですが、アメリカでの車購入話をしたいと思います。
少しでもこれからアメリカで車を購入を考えている方々の助けになれば。
アメリカの車ディーラーは一筋縄では行きません。。。

アメリカといえば、車社会。住むのであれば、英語以上に必要とされるのは車。
私は勇気を出してポートランド郊外のビーバートンにある車ディーラーに乗り込みました!
いざ出陣!
第1戦:vs ポッコリディーラーに入ると、担当してくれたのはオレゴンでは珍しい黒のロングコートを着たおじさんでした。
オレゴンは雨が降る日が多く黒のロングコートを着ている人は少数派。
東海岸から来たのか?と思わせる風貌。
ロングコートのおじさんは、ひげをはやしてお腹が「ぽっこり」でていました。
ここでは彼を「ポッコリ」と呼びましょう。
ポッコリはやさしそうな笑顔で握手をしてきました。
私は車を買うのを考えているけど、今日は買うつもりのないこと、ホンダフィットに興味があることを伝えました。
「君の乗りたい車はこれでいいね」と白い歯を見せるポッコリ。
私はフィットを試乗しました。
周辺を運転してディーラーに戻ると、ポッコリは料金の説明に入りました。
「君が買いたい車の値段が$17,000だ。それにアクセサリーがつき、保証期間延長の2000ドルもついて$19,000だね」と言われました。
そんなものかな、と思い私はフムフムとうなづいていました。
ただの視察目的だったのですが、値段を聞いただけで帰るのも何なので
車のローンを組むと毎月の支払いはどんなものか、と質問しました。
すると、クレジットヒストリーを見なければいけないから
君の情報を教えてくれ、と書類に色々と記入を始めるポッコリ。
彼に私のソーシャルセキュリティー番号などを教えると、彼は足早に席を立ちました。
待つこと数分
ポッコリは怪しい笑顔で帰ってきました。
「君のクレジットヒストリーは良好だから0.9%でローンを組めるよ!」(2013年当時)
温厚な笑顔です。温厚すぎて、怪しい、これが私の感想です。
そして
「この数字で良かったら、ここにサインをして」と言ってきました。
0.9%の利率なんて、めったにないですから
私はこの数字で良いに決まっているだろう、と思い
サインをしようとしたのですが
なんだか嫌な予感がしたので、私は彼に聞きました。
このサインは何のため?車を購入するってこと?と。
するとポッコリはゴクリと喉をならし答えました。
「そのとおり!」
そのとおり!じゃないよ!と心の中でツッコミを入れつつ
「今日は買う予定は無いからまた後日戻ってくるよ」と私は伝えました。
すると、ポッコリは落ち込んだ表情を見せ、沈黙の後、こう言ってきました。
「もし良かったら君の今乗っている車(古いホンダアコード)、あれを買わせてもらうよ。僕の子供が車をほしがっているからね。もちろん君の言い値で良い。なぜかというと、君は信用できる青年だからね、と。
私は考えました。
何、今自分が乗っている車を買ってくれる、と言うのか。
それもトレードインの低い値段ではなく、こっちの言い値で。
それは嬉しいぞ。いや、でも怪しくもあるな。。。
今日は車を買わない、と決めたんだ。
そう思い、私は最終的な断りを伝えました。
ポッコリは意気消沈。
危ない危ない。
お腹はポッコリしていましたが
抜け目の無いおじさんでした。
車を買ってくれるというオファーには心ゆらいだ私でしたが
私はとりあえずもう少し車の知識をつけてから購入したかったので、
帰宅後、車購入についてのリサーチを始めました。
リサーチで2700ドルの節約
ポッコリとの心理戦の後、帰宅した私はウェブでリサーチを始めました。
様々なディーラーのウェブサイトがあるのですが新車でも結構値段が違ったりするんですね。
いくつかのディーラーに問い合わせてみると、衝撃な事実が。
なんとビーバートンでは$17,000と言われていたホンダのフィットが、他のところでは$16,300で売られていたりする訳です。
車の金額が大きいので、数字に大きな変化はないように思われるかもしれませんが、差額の700ドルって、大きいですよね。
同じ新車なのに、この値段の違いは?と私は呆然としました。
おまけにポッコリから提示された保証期間延長の追加料金2000ドル。
友人から「それは必要ないよ、最初の保証期間の3年で壊れなかったら、別に延長の5年で壊れることは無いよ」と。
言われてみたらそうだなと。
おお、なんたることでしょう。
ほんの数分のウェブ閲覧と、友人からの助言で2700ドルの節約になりました。
そして色々なディーラーにメールをすること数日。
その数日で私がディーラーから受け取った電話は裕に20件を越えます。
まるで有名人にでもなったかのよう。
そして一番安い新車の値段を提示したディーラーに行こうとしていました。
しかし、他のディーラーから同じモデルで中古車があるよ、と連絡がありました。
私はそこに見に行くことにしました。
中古車のフィットだったのですが、表示されている値段は16,800ドル。スポーツモデルでした。
普通モデルの(スポーツモデルでない)新車よりも高い値段です。
しかし、メールで既に15,900ドルまでなら落とせる、と言われていたので私は市場価格を調査。
だいたいディーラーでは15,600ドル。
ディーラーを通さなければ、14,600ドルで取引されていることが分かりました。
そして十分なリサーチをしていざ出陣!
第2戦:VS ヒョロヒげ
私をビーバートンよりさらに西にあるヒルズボロという街のディーラーに赴きました。
担当したのが、元軍人で日本の横田基地にも住んでいたことがある、というヒョロヒョロで髭をはやしたおじさんでした。
ここでは彼を「ヒョロヒゲ」と呼びましょう。
Hajime mashite!と怪しい日本語を駆使するヒョロヒゲ。
このヒョロヒゲが、ポッコリと同じく良い人アピールをしてきます。
おそらく、いい人アピールをしなさい、とディーラーのマニュアルにあるのでしょう。
私は彼と値段について話し合いました。
しかし、ヒョロヒゲはしたっぱで、最終的な値段交渉は、ヒョロヒゲの上司である首が太いおじさんでした。
ヒョロヒゲのあまり意味のない仲介を受けつつ、首ふと上司と交渉が始まります。
なんだよ、お前、意味ないんかい!と心でツッコミを入れました。
上司との話し合いが続きます。
私は何度もこの値段なら買わないと言いました。最終的に向こうが「いくらなら買うのか」と聞いてきたので、15500ドルなら、と伝えました。
わたしはしまった、と思いました。15000ドルとなぜ言わなかったのか。
すると、それなら保証は外さなければならない、と言われました。
わたしは、少し考えさせてくれ、と伝えました。
その後一人で色々と計算するわたし。
しびれを切らしたのか、ヒョロヒゲが声をかけてきました。
結構ギリギリだよ、と言ってきました。
いくらだったら買うんだい?と言われたのでその時は15000ドルと、と言いました。
よく考えたら、15500ドルなら買うと言っていたのに、15000ドルと伝えた自分。
どう考えても辻褄が合いません、がそれをヒョロヒゲは上司に伝えてくれました。
そして、交渉はやっと結末に。
最終的には当初の目標である15000ドルまで落とすことに成功。しかも、ディーラーの保証付。
大満足の結果でした。
第3戦:VS プーさん
そしてやっと値段交渉から開放されると油断していると
次に現れたのは、クマのプーさんのような温和な顔をしたファイナンスマネージャー。
そうです、車のローンを担当する方なのですが、実はこのプーさんがラスボスだったのです。
まず彼は車の部品が壊れることがあるという説明をし始めました。
そして、その部品を保証するプランがある、と。
そんなの最初の保証でカバーしてくないのかい?と思いつつ、私は話を聞きました。
部品を保証するプランに入ると、以下のような毎月の支払いになる、と言ってきました。
これで良ければサインしてほしい、と。
私は、毎月の支払いを自分の頭の中で計算していなかったので、言われる数字に何も疑問は持っていませんでした。
なので、そのままサインしようとしたのですが、なんだかすっきりしなかったので私はプーさんに聞きました。
「この部品保証ってのはお金かかってるの?」と。
するとプーさんは言いました。
「・・・イエス」と。
なんだその・・・の沈黙は?と思い、私はツッコミを入れていきました。
これらの部品保証プランに入らないと毎月の支払いはいくらになるのか、と。
すると、毎月のローンが100ドル以上変わってくる訳です。つまり2年ローンなら2400ドル!
100ドルも違うとはどういうことかと問いただしてみると、部品保証プランはそれぞれいくらかかる、と説明を始めました。
私としては、最初から説明しろよ!という感じだったのですが、彼はオドオドしながら、説明を続けます。
彼の説明が終わった後も、私は腕を組んで黙り込んでいました。
すると分が悪いと思ったのかプーさんは、
「もしかしたらこのプランはいらないかもね」と言ってプランの減額を始めました。
私は負けずと黙り続けます。
「そうだ、このプランだったら特別に!従業員用の値段でどうかな」と言うので
なんだその従業員用プランは?と思いつつ、私は更に黙り続けました。
プーさんは額に汗を流しています。
「なら、この部品保証は本来は4年だけれど、5年にして値段を据え置くからどうかな」
プーさんは額に汗を流しています。
そして、静寂を破るように私は言いました。
「その部品保証は全ていりません」と。プーさんは意気消沈。
私は正直、この値段はどこまで安くなるのかを見てみたかったのですが、途中でプーさんの声を聞くのが嫌になり、話を遮ったのです。
そして外で待っていたのはヒョロヒゲ。
これまたあやしい日本語で
Omedetougozaimasu!と。
おめでとうじゃないだろ!最後にプーさんがいることを先に言え!と思いつつ私は車の鍵を預かりました。
そんなわけで、やっと車を購入することができたのです(笑)
まとめ
最初の新車の値段が保証など色々ついてきて19,000ドル。
今回購入した中古車は15,000ドル。
数日のネットリサーチとディーラーでの4時間の交渉で4,000ドル節約できたと思えば自分で自分を褒めたい心境です。
それでは皆さん、もし今後ディーラーで車の購入をする場合は、以下に気をつけてくださいね。
- リサーチをして、相場の値段を知っておくこと
- 意外と沈黙していると有利な条件を引き出せること
- ローンも車購入のプロセスであることを知っておくこと
というわけで、ディーラーとの3戦でした。なかなか楽しかったです。関連記事アメリカの顧客対応は本当にどうしようもない:イケアで知ったかぶりするレジの店員
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