アメリカオレゴン州にある都市ポートランド。
ここ数年、日本でもよくテレビ番組で取り上げられることが多くなった。
おそらくどこかの誰かが影で一所懸命にポートランドを売り込んでいるのだろう。
感謝感謝。
ポートランドの代名詞として、住みやすい都市ナンバーワン、環境に優しい都市ナンバーワンとかがあげられる。
実はこういうランキングにはカラクリがある。
不動産屋で働いている友人曰く、不動産会社が売りこみたい物件のある都市が上位にくる仕組みだそうだ。
たとえば、吉祥寺が上位に上がったら、不動産屋は吉祥寺で売りたい物件を多く持っているという仕組み。
よく考えたら、ファッションもそうだ。
何が流行っているというよりも、業界全体で流行りを作って、そこに合わせて商品を作っていくのだ。
ま、日本とアメリカの違いもあるだろうから、どこまでが作られた流行なのかはわからない。
ただ、こういうランキングを鵜呑みにしないことは大事なかな、と思う。
ランキングで上位だったから住んでみる、となると、不動産屋さんの思うツボなわけだ。
ま、ポートランドには、そういうランキングは正直どうでもいいと思っている人が多い。
少なくとも私の周りは。
そういうランキングに左右されないのもポートランドっぽさかと思う。
さて、本題のポートランドっぽさだけれど、私は学生時代からを含めると、もう15年ほどポートランドで過ごしている。
その間にも、東京やロスに住んでいたこともあり、それなりにポートランドを客観的に観れていると自負している。
そんな自分が考えるポートランドっぽさとは何かな、と考えてみた。
色々とある。
周りに流されない独自性とか。
イマイチ大きくなれない、ならない都市とか。
どこまで拡張していくのか分からない公共交通とか。
色々と考えたけれど、やっぱりポートランドっぽさってこれかな、と思うのが「地産地消」だ。
読んで字のごとく、地元で産まれた物やサービスが、地元で消化されるという意味だ。
ポートランドの友人も私自身もそうなのだが、いざコーヒー屋さんに行こうとなった時に、全国展開しているスタバが上がってくるのは、最後の最後だ。
スタバもお隣のシアトルに本社があるので、地元と言えなくはないのだけれど。
レストランだって、チェーン店に行こう!とはならない。
まずはローカルのレストランが候補に上がる。
唯一の例外が、グローサリー(食品)で、これだけはトレジョを使っている。
土曜日とかにダウンタウンのファーマーズマーケットなど開催されているのだけれど、地元の野菜は少し割高だ。これだけは、財布と相談。
でも、少し余裕があるポートランドっ子の友人は、ニューシーズンズだったり、ファーマーズマーケットで食品を買っている。
だって地元の商品買ったほうが、地元でお金が巡っていいことづくめでしょ、とのこと。
トレジョを使っている自分だけれど、それでも何かを買う時には、つい産地を確認してしまう。
ローカルとローカルでないのがあれば、迷わずローカルのものを選んでしまう。
そんな自分はすっかりポートランダーなんだな、と思う。
思うに、スマホの登場がローカルを後押しした。
今まで美味しいお店といっても、地元の雑誌や新聞などで紹介される程度で、知る人ぞ知るお店ばかりだった。
当時はよく周りにオススメのお店を紹介してもらっていた。
しかし、Yelpとか口コミアプリがあることで、誰でも簡単に評価の高いローカルのお店が見つかるようになった。
チェーン店のような、全国どこいっても同じ味が味わえる、という安心感は、ローカルで味わえるドキドキには負けてしまったのだ。
そんなわけで、時代はポートランドの「地産地消」を後押しした。
もちろん、Yelpの評価をうのみにすると、痛い思いをするときは多々ある。
私も色々とローカル店を紹介してきたが、それは選りすぐりのお店だ。
その3倍以上はいわゆる地元に人気なところで、うす味が好みの自分(アジア人?)としては、この味でこの高評価って・・・と思ってしまう。
でも、そんな痛い思いを何度しても、たまに大ヒットがあるローカル店の開拓はやめられない。
そんなわけで、私もローカルが大好きなポートランド人になってしまった。
地産地消、これこそポートランドっぽさだと思うが、ポートランドに住む日本人の方々はどう思っているだろうか。
今までブログには、読者に有益な情報を届けようとしか考えてこなかった。
実際に有益かどうかは別として。
でもこんなエッセイも書いていこうと思う。
徒然なるままに。