アンサングヒーローという言葉を聞いたことはありますか?
Unsung Hero
認められていない
世間ではニュースにもならないヒーローのことです。
皆さんの周りにもこういった人はいるのではないでしょうか。
何気ない一言に救われた、という経験が。
もしかしたら、配達に来たお兄さんかもしれません。
もしかしたら、スタバのお姉さんかもしれません。
私のなかのアンサングヒーローはたくさんいますが、パッと思いついたアンサングヒーローは、ずっと昔に出会ったコンビニの店員さんです。
それは私がとある塾に就職して1年目。
初めて迎えた夏期講習。
講習では1日に8時間教えていました。
8時間以上の仕事もやっていましたし
8時間勉強なら何度もやったことはありますが。
8時間教えるというのはやったことがなく。
それが何日も続き。
心身ともにボロボロでした。
今思えば、もう少し肩の力を抜いた時間割を作ればよかっただけなのですが。
そんな講習中の昼休み。
校舎近くのコンビニにお弁当を買いに行きました。
私の肩は体からもげそうなほど下がり、マルちゃんで言う3本線が入った顔をしていたと思います。
完全に負のオーラが体から出ていたことでしょう。
コンビニの自動ドアをくぐった瞬間に鳴り響く電子音。
そんな電子音さえ耳に入らないほど疲れていました。
すると、レジの奥にいた店員さんが少し高い声で「いらっしゃいませー!」と言うのです。
元気な声だな、と店員さんをみてみると、細い体で目が前髪で覆われて、メガネとマスクをしたお兄さんでした。
元気な声と見た目のギャップ。。。。
私は、そんなことを思いながら、レジ横を通り、おにぎりとサラダを取って、レジに行きました。
するとお兄さんは、改めて高い声で「いらっしゃいませ」と。
そして、機敏な動きで商品をビニール袋に入れてくれて、私に渡してくれました。
会計が終わると、店員さんは「ありがとうございました!」とお辞儀。
私は商品を受け取り、コンビニ店員さんとのひと時は終わりました。
なんの変哲もないやり取りでした。
ただお兄さんのテキパキした行動と心がこもった挨拶。
心身ボロボロだった私にお兄さんの心からの「ありがとうございました!」が染み渡ったのです。
校舎に戻って、おにぎりを食べながら、あのお兄さん輝いていたな、と思いつつ、その日の残りの4時間の講習を頑張れたのでした。
おそらく、あのコンビニのお兄さんは、私がそんな元気をもらっていたことを知らないことでしょう。
そして、当時から20年近くたった後に、ブログで自分のことを語られているなんて、夢にも思っていないことでしょう。
でも、私はお兄さんに心からの声をかけてもらえたこと。
その時に勇気と元気をもらえ、夏期講習をやり抜けたこと。
それは一生忘れないと思います。
今でもたまに、あのコンビニのお兄さんのことを思うと、自分の姿勢が正され、今日も1日頑張ってみようと思えるわけです。
だって、自分の何気ない一言や所作が、誰かを勇気づけるかもしれないのですから。
世間からは称賛されないけれど、誰かのヒーローであるアンサングヒーロー
皆さんの周りにはどんなアンサングヒーローがいますか?
ちょっと思い出してみるのもいいかもしれません。
別記事:アンサングヒーローといえば、ローズバーグのおばちゃんも。↓